本土旅客のマカオ自由旅行拡大に慎重―新任中連弁主任

マカオの観光業が急速な発展を遂げる中、マカオの観光客受け入れキャパシティが問題となっている。新たに中国中央政府の出先機関、中連弁主任に新たに就任した李剛氏は、中国本土からマカオへの自由旅行の拡大について、今年は3000万人を超える予想であるため、キャパシティを考慮すると拡大は現実的ではないとの考えを示し、再度の拡大については将来必要に応じて実施の可能性もあるとした。

1月17日付地元有力紙「澳門日報」が伝えた。また、同氏はゲーミング産業について総体的に健康的な発展をしており、マカオのGDPを支える支柱だとの認識を示し、今後経済の多元的発展を促し、新産業がGDPに占める割合を高めることで、マカオの経済バランスを安定させ、長期的なマカオの発展にもつながると語った。

中国本土からの自由旅行の拡大については、昨年2800万人、今年は3000万人を超える旅客がマカオを訪れる見込みとし、キャパシティを考慮すると適切な規模に達していることから拡大は現実的ではないとしながらも、将来的に必要に応じて拡大は可能であるとの考えを示した。また、ラスベガスとマカオの比較についても言及し、マカオは現在ホテル数約100軒、客室数2万2千室だが、年間3800万人が訪れるラスベガスはマカオの6倍にあたる15万室のホテル客室があるとしている。

また、李剛氏は現時点でマカオにとって重要なのは旅客に対するサービスの向上であり、「食べてよし、遊んでよし」がとても重要と語っている。

同氏は中国共産党の中央規律検査委員会メンバーであり、メディアはマカオのカジノ、特にジャンケットへの厳格な対応のためマカオに赴任したのではないかと報じていた。これについて、同氏は明確に誤解であると回答。中央規律検査委員としての任務は中国本土に限られ、マカオに対してのものはないとしている。

1月16日に開催された中連弁主催の新春パーティ。写真中央左が李剛主任(行政長官辦公室)

1月16日に開催された中連弁主催の新春パーティ。写真中央左が李剛主任(行政長官辦公室)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  2.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun