マカオ税関が同日内に2件の密航事案摘発…中国人の男3人逮捕

 澳門海關(マカオ税関)は10月22日、最近の密航活動の趨勢と情報分析結果からマカオ周辺海域のスマート監視システム及びドローン等のIT技術を活用して海上及び沿岸の高リスク地点における監視体制を強化して臨む中、同月20日に密航事案2件の摘発に成功し、違法出入境を企図した中国人(中国本土居民)の男3人を逮捕するに至ったと発表。

 1件目の事案は20日未明、海域スマート監視システムによって不審なボートがマカオ半島北東沖に位置する埋立地「新城A区」の橋梁建設現場付近の海域を航行しているのを察知し、すぐに高速パトロール艇を向かわせ、ボートの動向を監視していたところ、ボートに乗っていた2人のうち1人が上陸を図り、ボートが現場を離れていくのを確認したため、すぐに海と陸での捜索を開始。まもなくボートと不法上陸者の制止に成功し、ボートの操縦者(いわゆる蛇頭)と不法上陸者をそれぞれ逮捕。不法上陸者は税関の調べに対し、合法的にマカオへ入境できない立場にあることから密航でマカオに来たと説明し、蛇頭も密航目的の人物を載せたことを認めたという。

1件目の事案で監視システムが捉えた不審なボート(上)と不法上陸者(下)の映像(写真:澳門海關)

 2件目の事案は20日夜、税関職員が新城A区のパトロール中、突堤部に1人の不審な男がいるのを発見し、高速パトロール艇、パトロールカー、ドローン部隊に捜索サポートを要請した後、発見場所近くで男の逮捕に成功。男は税関の調べに対し、密出境するため迎えのボートを待っているところだったと説明したとのこと。

 上記2件で逮捕された男3人の年齢は33〜47歳。税関は1件目の蛇頭を不法出入境ほう助、不法上陸者を不法出入境の罪でそれぞれ起訴。2件目の不法出境を企図した男については2件目の不法上陸者とともに治安警察局の出入境管理部門に身柄を引き渡し済みとした。

 税関では、今後も海上及び沿岸における巡回強化を継続して臨むことで、違法行為を撲滅するとしている。

2件目の事案で密航による不法出境を企図した男の捜索及び逮捕時の様子(写真:澳門海關)

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