マカオ、模擬紙幣を使った両替詐欺が2件連続発生…中国本土出身の男3人逮捕、違法両替商が被害

 マカオ司法警察局は11月3日、前月末にかけて「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の模擬紙幣が使われた両替詐欺が2件連続発生し、中国本土出身の男3人を相当巨額詐欺罪で逮捕、検察院送致したと発表。

 同局によれば、被害者はマカオで違法両替に従事していた中国本土出身の男女3人で、”業務”に必要な香港ドルを用立てるため両替が必要だったという。被害総額は28万0100人民元(日本円換算:約573万円)に上り、捜査過程で額面1000香港ドル(約1万9000円)の練功券、計1198枚を押収したとのこと。

 両事案とも被害者はチャットアプリの同業者グループを通じて両替相手と連絡を取り、コタイ地区にある統合型リゾート(IR)併設カジノの喫煙ルーム内やホテル客室内で取引を行った際、相手方指定の銀行口座に送金した後、手渡された現金を確認する際に練功券であることに気づき、相手を取り押さえた上で警察に通報したものという。

 被疑者らは警察の調べに対し、チャットアプリで知り合った人物からマカオでの両替詐欺を持ちかけられ、広東省珠海市で練功券を受け取り、成功した場合に報酬を受け取れる約束だったなどと供述しているとのこと。

 練功券は通貨としての価値がなく、一般に流通しているものではない。これまでもマカオではこれを用いた詐欺事件がしばしば発生していたが、前月下旬以降から発生件数が増えている。

 昨今マカオのカジノ施設内外において違法両替商が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発している。近年、マカオ保安当局が換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨んでいる。

模擬紙幣を使った両替詐欺事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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