マカオ、模擬紙幣を使った両替詐欺で中国人の女1人逮捕…報酬得て中国本土から持ち込み

 マカオ司法警察局は11月8日、同月5日に「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の模擬紙幣を使って両替詐欺をしたとして中国本土出身の女1人を逮捕したと発表。

 同局によれば、5日午後、コタイ地区にある統合型リゾート(IR)併設ホテルの客室内で両替詐欺が発生したとの通報を受け、警察官が現場へ急行。現場には通報者の男性1人と通報者が取り押さえた女1人おり、女は額面1千香港ドル(日本円換算:約1.9万円)の練功券300枚を所持していたとのこと。

 通報者の男性によれば、カジノでプレイするため人民元から香港ドルへ両替しようと思い、友人を通じてスマートフォンのSNSチャットアプリのグループに加入し、グループ内にいた1人と両替交渉が成立。その後、女が部屋を訪れ、女に指定された口座へ人民元を送金したが、女から手渡された香港ドルの札束を確認したところ、すべて練功券だったことがわかり、警察に通報したという。

 女は警察の調べに対し、チャットアプリを通じて知り合った男から1日3000人民元(約6.2万円)の報酬で雇われ、指示通りに札束をマカオに持ち込み取引したが、これが練功券とは知らなかったなどと供述したとのこと。警察はこの女を巨額詐欺罪で検察院送致するとした。

 練功券は通貨としての価値がなく、一般に流通しているものではない。これまでもマカオではこれを用いた詐欺事件がしばしば発生していたが、前月下旬以降から発生件数が急増している。

模擬紙幣を使った両替詐欺事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

最近の記事

  1.  総合不動産サービス企業のJLL(仲量聯行)は9月19日、およそ4年半ぶりとなる米国の利下げを受け…
  2.  マカオ政府環境保護局(DSPA)は9月19日、同局が2017年から展開している「電子・電器設備回…
  3.  香港に隣接する広東省深セン市で9月18日朝、日本人学校に通う児童が登校中に刺されて負傷する事件が…
  4.  マカオ金融管理局(AMCM)は9月19日、政策金利にあたる基準金利を50ベーシスポイント引き下げ…
  5.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun