マカオ、模擬紙幣を使った両替詐欺が2日間で3件発生…中国人の男女4人逮捕

 マカオ司法警察局は11月15日、同月13日から14日にかけて「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の香港ドル模擬紙幣が使われた両替詐欺が3件相次ぎ発生し、中国本土からマカオ入りしていた中国人の男女4人を逮捕したと発表。

 同局によれば、被害者は3人で、それぞれ人民元から香港ドルへ両替するためSNSのチャットアプリを通じて「換銭党」と呼ばれる違法両替商と連絡を取り、コタイ地区とタイパ島にあるカジノ施設やホテル客室内、ロビーで面会して取引を行った際、被害者が相手方指定の銀行口座に人民元を送金した後、手渡された香港ドル紙幣の全量または一部が練功券であることに気づいて警察に通報したものという。被害額は3件合計で約182万人民元(約3797万円)に上ったとのこと。

 同局の調べに対し、被疑者4人はそれぞれ他人から成功報酬を提示されるかたちで雇われ、指示に従って練功券をマカオへ持ち込み両替を行ったなどと供述。警察は全員を相当巨額詐欺罪で検察院送致するとともに、仲間を追っているとした。

 練功券は通貨としての価値がなく、一般に流通しているものではない。これまでもマカオではこれを用いた詐欺事件がしばしば発生していたが、前月下旬以降からは頻発している状況で、同局が注意喚起を行っている。

 昨今マカオのカジノ施設内外においては換銭党が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発しており、警察当局が換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨んでいる。

模擬紙幣を使った両替詐欺事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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