マカオの2023年9月飲食業・小売業景気調査結果公表…両業界とも売上額対前月2桁減も翌月見通しは良化

 マカオ政府統計調査局は11月20日、今年(2023年)9月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表した。

 同局の調査に回答した飲食業者の売上額は前年同月から35.9%増。ジャンル別ではウェスタンスタイルのレストラン、チャイニーズスタイルの酒楼・飯店、粥麺店がそれぞれ68.5%、46.5%、35.3%増だった一方、日韓レストランは27.9%減。

 同局の調査に回答した小売業者の売上額は14.4%増。ジャンル別では成人ファッション(+35.9%)と革製品(+32.5%)が顕著な増に。

 前月と比較した売上額では、夏休みシーズンが終わったことを受け、飲食業で13.7%減、小売業についても18.0%減に。飲食業では日韓レストランとウェスタンスタイルのレストランがそれぞれ24.2%、19.7%減、小売業では化粧品・衛生用品と百貨がそれぞれが29.7%、28.1%減で、自動車は16.2%増。

 9月と比較した10月の見通しについては、飲食業の31%が増、25%が減、小売業では53%が増、15%が減とした。10月は初旬に国慶節ホリデーがあり、ツーリズム業界にとって書き入れ時のひとつにあたる。なお、飲食業のうち西洋料理店とチャイニーズスタイルの酒楼・飯店のそれぞれ39%、33%、小売業のうち革製品、百貨のそれぞれ80%、67%が増加と回答。

 売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が53.0、小売業が69.1で、いずれも基準値となる50を上回り、9月に比べて10月の売上が良化するとみていることを示す結果に。

 なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。

 マカオでは年初のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、勢いを維持している。ただし、アフターコロナでは、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことでマカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとする見方もある。

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

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