マカオグランプリ開催期間中のカジノ売上鈍化

 モータースポーツの祭典として世界的に知名度の高い「マカオグランプリ」。今年は70周年を記念して2週末連続6日間(11月11〜12日及び16〜19日)にわたって開催され、過去最多となる約14.5万人の観客動員を記録した。

 実は、マカオには例年マカオグランプリシーズンにはカジノ売上(粗収益、Gross Gaming Revenue=GGR)が鈍化するというジンクスが存在する。大手金融機関のジェフリーズがマカオグランプリ明けに発出した研究レポートによれば、今年もジンクスを破ることはできなかったようだ。

 ジェフリーズのレポートによれば、11月13〜19日の1週間のマカオの単日平均カジノ売上は4.85億パタカ(日本円換算:約90億円)まで落ち込み、その主要因としてマカオグランプリ開催による影響を挙げ、この種のイベントが生み出す旅客トラフィックはハイエンドのカジノプレイヤーにとって魅力的なものではない可能性があると指摘した上、影響は短期的で、11月の残り期間については5.3〜5.8億パタカ(約98〜108億円)程度まで回復する見通しを示した。

 また、市場の中国本土における経済成長に対する懸念の高まりとアウトバウンド旅行への潜在的な影響により、マカオのカジノ企業の株価評価が業績と乖離しているが、同社では中国本土居民の間で依然としてマカオが旅行先としてみられているとの見方を維持しているととのこと。

「第70回マカオグランプリ」の告知ビジュアル(資料)=本紙撮影

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