マカオ、フィッシング詐欺グループの受け子2人逮捕…QRコード決済アカウント乗っ取り商品購入
- 2023/11/23 11:34
- 社会・政治
マカオ司法警察局は11月22日、近日マカオで10件の被害報告が寄せられたマカオローカルのQRコード決済「MPay」の偽サイトが発端の詐欺事件についての概要を明らかにするとともに、犯行グループのメンバー2人を逮捕したことを発表した。
MPayはマカオで最も普及しているQRコード決済プラットフォームの1つ。同局によれば、被害者10人はMPay名義でポイント交換期限が迫っているという内容のショートメール(SMS)を受け取り、メッセージ内のリンクをクリックしたところMpayのログイン画面(を模した偽サイト)にジャンプし、そこで電話番号やパスワードを入力した後、アカウントが乗っ取られ、マカオのショッピングアプリで消費されるに至ったとのこと。被害額は合計6万8978パタカ(日本円換算:約128万円)。
同局の捜査で、1つの犯罪グループの存在が浮上。MPayの偽サイトを用意し、大量のフィッシングSMSをマカオ居民に発信。乗っ取りに成功したアカウントを用いてマカオのショッピングアプリで大量の酒類及び化粧品を購入した上、マカオの指定場所へ配送させ、商品受け取り後にまとめて海外に運び出していたという。
11月20日、同局の捜査員がマカオ半島北区で商品の受け取りに現れた「受け子」とみられる男2人を逮捕し、2人が携行していたスーツケースの中から大量の酒類と化粧品を発見。2人はいずれも自称無職の20代の中国人(中国本土居民)で、犯罪グループに雇われ、マカオへ来て商品を受け取り、中国本土へ持ち帰って上役に手渡す役目だったが、フィッシング詐欺に加担したことについては否認した上、それぞれ11月17、18日から受け取りに参加したが、今回が初めてだったなどと供述したとのこと。
また、同局では本件に絡む4つのフィッシングサイトの存在を認知し、いずれも海外サーバーが使われており、11月14日から稼働していたことがわかったという。
同局では、上述の2人をコンピュータデータ不正取得・使用・提供、コンピュータシステム不正アクセス、コンピュータ偽造、サイバー詐欺、組織犯罪の罪で検察院送致するとともに、他にも被害者がいるものとみて本件に関する捜査及び別に関与した人物の追跡を継続するとした。