マカオ、ワインに偽装した液状コカインの密輸事案摘発…ボトル12本分、末端価格約3.5億円相当
- 2023/12/8 9:38
- 社会・政治
マカオ司法警察局は12月7日、香港の警察当局と合同で同月3日に越境麻薬密売事案の摘発を行い、マカオと香港の両地で計3人を逮捕するとともに、1.5リットルのワインに偽装した液状コカインの入ったボトル16本分、末端価格にして2640万パタカ(日本円換算:約4.7億円)相当を押収したことを明らかにした。
逮捕された3人は、マカオ側で台湾の自称サービススタッフの男(28)と台湾の自称無職の女(27)で、いずれも今回は初めてのマカオ入境。同局は7日午前、両人を麻薬密売罪で検察院送致済み。香港側で逮捕されたのはマレーシアの男(23)とのこと。
摘発に至る経緯について、両地の警察の麻薬捜査部門が情報交流を継続する中、前(11)月下旬にある国際麻薬密売組織がまとまった量のワインに偽装した液状コカインを外地からマカオ経由で香港あるいはその他地区への密輸を企図しているとの情報をキャッチし、合同で捜査を展開してきた中、マカオ側で台湾の男女2人をマークしたという。
12月3日、マークしていた男女2人がマカオ入境後まもなくコタイ地区にあるホテルにチェックイン。5日夕方に両人が部屋を出たところで職務質問を行い、客室の中を捜索したところ、きちんとパッケージされたワインボトル8本を発見。その後、両人を連れてマカオ半島中区にあるクーリエ会社へ調査に訪れ、新たに同類のワインボトル4本を発見。その後の検査で、計12本の中身がすべて液状コカインだったことが判明。
同局では、経験則から今回マカオで発見、押収した液状コカインは乾燥させた後に6キログラム分の固形コカインになり、末端価格は1980万パタカ(約3.5億円)に上るとした。
マカオで逮捕された男女は警察の調べに対し、友人がワインをマカオへ運ぶのを20万台湾ドル(約90万円)の報酬で手伝い、旅費はその友人が提供したと説明したのみで、その他の詳細については供述を拒否しているとのこと。
なお、香港側で逮捕された男はワインに偽装した液状コカイン入りボトル4本を所持していた。
マカオ司法警察局では、台湾の男女が米国で液状コカインを受け取った後、台湾経由でマカオ入りしたとみており、その出どころ及び行方、さらには別に関与した人物などについて、引き続き捜査を進めるとした。