マカオの2023年10月飲食業・小売業景気調査結果公表…両業界とも売上額対前月2桁増、翌月見通しは悪化

 マカオ政府統計調査局は12月19日、今年(2023年)10月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表した。

 同局の調査に回答した飲食業者の売上額は前年同月から35.7%増。ジャンル別ではウェスタンスタイルのレストランとチャイニーズスタイルの酒楼・飯店がそれぞれ69.7%、52.1%増だった一方、日韓レストランは24.9%減。

 同局の調査に回答した小売業者の売上額は38.4%増。ジャンル別では百貨(+58.5%)、時計・ジュエリー(+52.1%)、革製品(+51.3%)、成人ファッション(+43.7%)が顕著な増に。

 前月と比較した売上額では、(中国本土で大型連休となる)国慶節ホリデーの影響で、飲食業で2.9%増、小売業についても17.6%増に。飲食業ではウェスタンスタイルのレストランが12.3%増、茶餐廳及び粥麺店が0.2%減、小売業では成人ファッションと百貨がそれぞれが32.2%、22.4%増で、自動車は21.8%減。

 10月と比較した11月の見通しについては、国慶節ホリデーが終わったことを受け、飲食業の46%が減、12%が減、小売業では34%が減、25%が増とした。なお、飲食業のうち西洋料理店と日韓レストランのそれぞれ56%、41%、小売業のうち百貨、自動車、スーパーマーケットのそれぞれ50%、46%、44%が下落と回答。

 売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が33.4、小売業が45.7で、いずれも基準値となる50を下回り、10月に比べて11月の売上が悪化するとみていることを示す結果に。

 なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。

 マカオでは年初のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、勢いを維持している。ただし、アフターコロナでは、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことでマカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとする見方もある。

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

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