マカオと広東省の警察当局が合同で漁船を使った密航組織摘発

 このほどマカオと広東省珠海市の警察当局が合同で漁船を隠れ蓑にした密航組織の摘発し、両地で計8人が逮捕された。

 マカオ司法警察局が12月27日に発表した内容によれば、先に同局と中国本土の警察当局の間での連絡メカニズムを通じ、漁船を隠れ蓑にした密航を専門とする犯罪組織が存在する可能性が浮上したことから、同局と澳門海關(マカオ税関)が合同で漁船の掌握や不法上陸地点、犯罪組織メンバーの情報等の調査を進めてきたという。

 12月26日午後1時頃、マカオ半島西岸にある内港エリアの火船頭船街一帯を徘徊する不審な男1人を発見して監視を行ったところ、この男が内港21号埠頭近くに接岸した1隻の漁船から降りて上陸した男1人と接触したことが確認できたことから、摘発を開始。陸上で出迎えた男と上陸した男のほか、船内にいた4人の計5人を逮捕したとのこと。いずれも中国人(中国本土居民)で、年齢は28〜53歳。5人のうち3人(自称船員と漁業従事者)が密航組織メンバー、2人が密航者で、両人ともマカオでの犯罪歴により入境禁止期間中だったという。

マカオへの密航に使われた漁船(写真:マカオ司法警察局)

 同局の調べに対し、密航者2人は密航組織に密航費用としてそれぞれ5.5万人民元(日本円換算:約110万円)を支払っとした上、マカオ密航目的について賭博と違法両替への従事と供述したという。また、密航組織のメンバーは組織の指示を受け珠海で密航者を乗せ、マカオへ向かったと供述したとのこと。

 このほか、珠海警察当局が当地において本件に絡む密航組織メンバーの43〜55歳の中国人(中国本土居民)男3人を逮捕しており、うち1人は幹部メンバーとした。

 なお、マカオにおける密航事案の摘発はしばしば報告されているが、漁船を隠れ蓑にした密航事案が摘発されるケースは珍しく、初摘発例は2017年のこと。

マカオへの密航に使われた漁船に対する捜査の様子(写真:マカオ司法警察局)

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