マカオ、2023年1〜11月累計のカジノ税収は約1兆円…対前年230%増、年度予算進捗率116%に
- 2023/12/29 12:08
- カジノ・IR
このほどマカオ政府財政局が公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2023年)1〜11月の歳入は前年同時期から10.4%減の876億4758.3万パタカ(日本円換算:約1兆5345億円)で、年度予算執行率は86.5%だった。
ただし、経常性収入に限ると123.5%増の772億2146.8万パタカ(約1兆3520億円)で、年度予算執行率は117.8%。このうち、いわゆるゲーミング(カジノ)税収は230.3%増の590億7310.7万パタカ(約1兆0342億円)で、年度予算執行率は116.2%に。歳入に占めるゲーミング税の割合は67.4%。
歳出は13.8%減の753億3822.0万パタカ(約1兆3190億円)で、年度予算執行率は74.3%。経常性費用における新型コロナ経済支援対策を含む援助・補助等の項目が3割近い減となったことがマイナスの主要因で、投資計画分は前年から増加。
財政収支は123億0936.3万パタカ(約2155億円)の黒字で、前年同期比では18.2%増。
なお、財政収支はコロナ禍にあった2020年から2022年とアフターコロナ初年にあたる2023年は数字上では黒字となっているものの、主要財源であるゲーミング税の減収を受けて財政準備資産から補填した経緯があり、実質赤字の状況。
マカオでは長くゼロコロナ政策が維持され、インバウンド旅客数も低迷したが、昨年12月に事実上のウィズコロナへ転換し、水際措置の緩和が一気に進んだ結果、状況が一変。今年に入って以降はインバウンド旅客数が急回復し、勢いも持続する状況で、ゲーミング税の算出根拠となるカジノ粗収益(Gross Gaming Revenue=GGR)にも波及。マカオ政府は先に公表した2024年財政予算案の説明において、ようやく黒字を確保できる見通しを明らかにした。
参考までに、今年1〜11月累計のインバウンド旅客数は前年時期から375.8%増の2526万9073人、同GGRは324.9%増の1644.92億パタカ(約2兆8799億円)に上り、それぞれコロナ前2019年同時期の69.6%、約61.0%に相当。今後、年末にかけてコロナ前との比較でどの程度まで回復するかが注目される。