マカオLRTタイパ線、2023年12月の1日平均乗客数が1.3万人超に…延伸効果で前月から倍増

 マカオ初となる本格的な軌道系大量輸送機関として、2019年12月にマカオLRT(Light Rapid Transit)タイパ線が開業した。

 開業当初こそ物珍しさや運賃無料キャンペーン(2020年1月末まで)の実施などもあり、多くの乗客で賑わったが、開業2ヶ月目の2020年1月以降はコロナ禍インバウンド旅客減などを受けて利用者数は低迷し、1日あたりの利用客数は事前見通しの2万人を大きく下回る数千人程度という状況が続いていた。

 運営会社のマカオLRT社は1月2日、昨年(2023年)12月の乗客数データを公表。1日あたり平均乗客数(延べ、以下同)は前月から倍増の約1万3900人で、2020年2月以降の最多に。

マカオLRTタイパ線の海洋駅から延伸部の媽閣駅方向へ向かう試運転列車=2023年12月5日本紙撮影

 タイパ線はマカオLRT第1期プロジェクトの一部で、タイパフェリーターミナル駅と海洋駅の間の9.3キロメートル、11駅の区間で営業運転を行っている。沿線には陸海空の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在する。

 主に玄関口と観光地を結ぶ路線のため、厳格な水際措置によるインバウンド旅客数の減が乗客数の低迷につながったが、一昨年12月に長く続いたゼロコロナからウィズコロナへの政策転換があり、昨年1月初旬に水際措置の大幅緩和が実現したことでインバウンド旅客が急回復する中、マカオLRTタイパ線の乗客数も盛り返しつつある状況。

 なお、タイパ線については、海洋駅から西灣大橋を経由して媽閣駅に至る延伸部が12月8日に開業。待望のマカオ半島側への乗り入れが実現した。これによって12月の利用者数が底上げされたとみられる。1月以降も延伸効果を持続できるかが注目される。

 マカオLRTは今後も路線ネットワークの拡充が予定されている。タイパ島北東部にあるマカオ国際空港からマカオ半島東部沖に造成中の埋立地を経由してマカオ半島北端にある關閘を結ぶ全線地下、全長約9キロの新線「東線」が昨年8月に着工したばかり(2028年完成予定)。タイパ線の蓮花駅と横琴口岸(イミグレーション)前の新駅を結ぶ支線(2駅、約2.2キロ)と蓮花口岸駅付近から分岐する石排灣支線(2駅、約1.6キロ)も工事の進捗は順調で、いずれも今年(2024年)内の完成予定。

マカオLRTタイパ線の路線図(図版:Macao Light Rapid Transit社公式HPより)

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