マカオ、1939年建造の公設市場「雀仔園街市」がリニューアル

 東洋と西洋の文化が見事に融合した美しい街並みが多くの観光客を魅了するマカオ。旧市街エリアには今も数多くの歴史ある建物が残り、公共施設などとして現役で活躍する例も少なくない。

 そのひとつが、マカオ半島の中心に近いローカルエリア「雀仔園」にある公設市場「雀仔園街市」で、85年前(1939年)に建てられたもの。しかし、長年にわたって多くのメンテナンスを繰り返し実施してきたものの、老朽化には抗えず、同施設を管轄する市政署(IAM)が施設・設備の最適化による根本解決を図るため、2023年3月からリノベーション工事を進めてきた。このほど工事が終了し、1月9日にリニューアルオープンする運びになったという。

リニューアルオープンするマカオの公設市場「雀仔園街市」外観(写真:IAM)

 IAMによれば、今回のリノベーションでは、外観を維持した上で空調・換気システムを追加設置したほか、内部では照明システムの改善、トイレの位置及び男女スペース割合の調整、排水設備の更新、バリアフリー設備の増設などが行われたという。

 記者が現地で確認したところ、外観は一部の入口に新たなサイネージが設置されたほか、基本的に元のイメージが保たれているように見えた。内部については以前と大きくイメージが変わり、明るく整然とした清潔感あふれる雰囲気に変貌している。市場の外周にある軽食や野菜の屋台も「復活」しており、雀仔園エリア独特のローカル感は今後も味わうことができそうだ。

 目下、マカオ半島の北部にある80年以上の歴史を持つ公設市場「提督街市(通称:紅街市)」についても2022年3月から約2年間に及ぶ大規模リニューアル工事が進められており、こちらについても外観を維持する計画となっている。

リニューアルオープンするマカオの公設市場「雀仔園街市」内観(写真:IAM)

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