暴力犯罪減る―2013年マカオの治安状況
- 2014/2/21 10:32
- 社会・政治
マカオ特別行政区政府で警察部門を管轄する保安司の張國華司長が2月20日、昨年(2013年)のマカオの治安状況に関する記者発表を行った。「財産侵犯罪」及び「人身侵犯罪」が中心だったとし、今後も犯罪抑止と取り締まりに努め、良好な治安環境を保持すると語った。殺人や傷害などの暴力犯罪発生率が低かったことを成果として挙げている。
2013年の犯罪事案総数は13,685件で、前年から7.9%にあたる1,000件増えた。類別では「財産侵犯罪」と「人身侵犯罪」が中心で、それぞれ全体の56.4%、18.4%を占めている。増加幅が大きかったのは文書偽造や偽造貨幣行使などの「社会生活妨害罪」。暴力犯罪は前年から16.1%増え、中でも麻薬密売と恐喝がそれぞれ80.5%、52.3%増と顕著。
刑法典の五大分類による犯罪状況は下記の通り。
1.人身侵犯罪
総数は1.7%の微増となる2,521件で、不法監禁にあたる他人の行動の自由を剥奪する罪が74.4%の大幅増。一方、傷害、強姦、恐喝、殺人等はそれぞれ減少。
2.財産侵犯罪
総数は6%増となる7,719件で、詐欺と恐喝がそれぞれ42.9%、52.3%増。空き巣、強盗はそれぞれ29.7%、16.2%減。
3.社会生活妨害罪
総数は38.5%増となる971件で、文書偽造、偽造通貨行使が多く、それぞれ51.1%、36.1%増。
4.地域に対する罪
総数は813件。不服従が1.6%の微増の569件、虚偽記載が13.5%減の167件。
5.その他犯罪
総数は16.4%増となる1,661件。不法入境者の勧誘、ほう助、収容、雇用に関する案件が1.8%増の455件、麻薬密売と麻薬吸引がそれぞれ80.5%、18.2%増。
逮捕及び送検者数は前年から710人増の4,761人。
青少年犯罪は前年から38件減の51件で、未成年者は同67人減の80人。
不法入境者及びオーバーステイは15.5%増の44,144人に上った。うち中国本土出身の不法入境者が184人増の1,335人、個人旅行ビザのオーバーステイは115人増の4,632人、その他中国本土パスポート及びビザのオーバーステイは5,705人増の35,206人。その他外国籍者によるオーバーステイは91人減の2,971人。