2023年マカオの総体失業率2.7%、月給中位数は約36.8万円…アフターコロナで改善

 マカオ政府統計調査局は1月26日、昨年(2023年)10〜12月期の雇用統計を公表。総体失業率は2.3%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者、いわゆるローカル)に限った失業率は2.9%、不完全雇用率は1.4%だった。いずれも前回調査(2023年9〜11月期)から変動なし。

 昨年10〜12月期のマカオ居住の労働人口は37.97万人、労働参加率は68.0%。就業人口は前回調査から900人減の37.11万人で、マカオ居民に限ると1700人減の28.61万人。

 失業人口は8600人で、前回調査から変動なし。新たな職を探す失業者のうち、直前までカジノ・カジノ仲介業、ホテル・飲食業、小売業に従事していた人の数が多くを占めた。このほか、初めての職探しをする人が占める割合は2.1ポイント下落の12.2%に。

 不完全就業者数は前回調査から200人減の5200人。業界別では、建設業と運輸・倉庫業が多くを占めた。

 昨年第4四半期の総体失業率(2.3%)とローカルの失業率(2.9%)は同年第3四半期から0.1、0.2ポイント下落(良化)。就業人数は1800人増、マカオ居民に限ると700人減で、業界別ではホテル・飲食業(4.90万人)と教育(2.09万人)がそれぞれ2100人増、カジノ・カジノ仲介業(6.74万人)が3600人減。

 このほか、昨年第4四半期の就業人口全体の月給中位数は1万7600パタカ(日本円換算:約32.4万円)で、前の四半期から400パタカ(約7400円)減。マカオ居民に限った月給中位数は変動なしの2万パタカ(約36.8万円)。

 就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者(学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く)で、域外からマカオへ越境通勤するマカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元にマカオ居民及び海外労働者の越境通勤者数は約9.99万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から500人増の47.96万人。

 昨年の総体失業率は2.7%、ローカルに限った失業率は3.4%で、それぞれ前年から1.0、1.4ポイント下落(良化)。昨年の就業人口全体の月給中位数は1万7500パタカ(約32.2万円)、マカオ居民に限った月給中位数は2万パタカ(約36.8万円)で、前年からそれぞれ2500パタカ(約4.6万円)、1000パタカ(約18.4万円)増。

 インバウンド依存度の高いマカオ経済はコロナ禍で長期低迷を余儀なくされ、ローカルの失業率は2022年6〜8月期に過去最悪の5.5%を記録。昨年の年初からはアフターコロナでインバウンド旅客数が急回復し、人材需要にも好影響が及んでいる状況。また、コロナ禍では雇用の調整弁となる海外労働者が大幅減となったが、アフターコロナで増加に転じている。

大勢の旅客で賑わうグランドリスボア前(資料)=2023年8月、マカオ半島・中区にて本紙撮影

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