マカオで孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病とみられる症例確認=患者は64歳マカオ居民女性

 マカオ政府衛生局(SSM)は1月29日、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)からクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の可能性が極めて高いとみられる症例を確認したとの報告があったと発表。

 患者はリタイア生活を送るマカオ居民の女性(64)で、昨年(2023年)8月から記憶力の減退や問いかけに正確な回答ができなくなるなどの症状が出現し、中国本土及びマカオの医療機関を受診。昨年12月に激しい情緒を伴う症状の悪化が見受けられたことから仁伯爵綜合醫院へ入院し、脳脊髄液検体の検査結果がプリオン蛋白陽性だったとのこと。患者は今月(2024年1月)初旬に退院しており、まずまずの状況という。なお、患者の家族への調査で、家族に類似の症状は出現しておらず、患者は十数年前に7〜8年ほど台湾に居住していたが、その期間中に輸血や手術を受けたことはないとの説明があり、患者の病歴、臨床症状、検査結果から、孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病の可能性が極めて高いという診断を下すに至ったとした。

 同局では、今回の患者は孤発性の症例であり、牛肉及び牛肉製品とは無関係で、また一般接触による伝播の可能性もないとし、市民に対して過度な心配をしないよう呼びかけている。また、患者は直近の仁伯爵綜合醫院入院中に手術をしておらず、プリオンに汚染された医療器具からの伝播を考慮し、一時性の侵入性の器具を使用し、使用済みの器具は感染性廃棄物として高温焼却処理を行ったとした。

 同局によれば、孤発性CDJは世界各地でおよそ100万人に1.5人の割合で発症するとのこと。マカオにおける以前の症例確認は2012年、2017年、2019年に3例が確認されたのみ。

マカオの公立大型総合病院、仁伯爵綜合醫院(資料)=本紙撮影

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