マカオ行政長官、年間カジノ売上目標の約4兆円を維持する考えも上振れは歓迎

 目下、マカオでは旧正月の春節ホリデーを迎えている。マカオにとって第一、第二の旅客ソースとなる中国本土と香港で大型連休となることから、2月10〜12日のインバウンド旅客数が延べ50万人超となり、事前予測を上回るペースで推移している。

 マカオ特別行政区の賀一誠(ホー・ヤッシン)行政長官をはじめ、政府高官らは春節ホリデーも市内の視察を積極的に行い、現状及び課題の把握に努めている。

 賀長官は2月13日、政府がカジノIR(統合型リゾート)運営6社と共同で新たな観光名所の再開発を進める旧市街地の6エリアを視察した際、囲み取材に応じた。

 春節ホリデーがスタートして以来、世界遺産が密集するマカオ半島の歴史市街地区の一部(セナド広場〜聖ポール天主堂跡一帯)に旅客が集中し、連日交通規制が敷かれる状況となっていることについて、現時点で春節ホリデーのインバウンド旅客数及び受け入れ能力を評価することはできないが、単日インバウンド旅客数が増加する中、春節ホリデー終了後にレビューを実施し、観光名所の増加による旅客の分散化を考えていきたいとコメント。

 また、インバウンド旅客数と比例する(2024年通期の)カジノ売上の見通しについては、財政予算で目標として掲げた2160億パタカ(日本円換算:約4兆0389億円)を維持する考えを示した上、毎月にすると180億パタカ(約3366億円)となるが、目標値はあくまで財政収支均衡の要件であり、当然これを上回るに越したことはないとした。

 参考までに今年1月の月次カジノ売上は193.37億パタカ(約3615億円)で、春節ホリデーのある2月はこれを上回ると予想されており、年初から目標達成に向けて順調な滑り出しとなりそうだ。

マカオ半島中央部にある福隆新街の歩行者天国を視察する賀一誠マカオ行政長官(中央)ら=2024年2月13日(写真:マカオ政府社会文化司長弁公室)

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