マカオの総体失業率は2.2%維持…2023年12月〜2024年2月期
- 2024/3/29 8:38
- 産業・経済
マカオ政府統計調査局(DSEC)は3月28日、昨年(2023年)12月〜今年(2024年)2月期の雇用統計を公表。総体失業率は2.2%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者、いわゆるローカル)に限った失業率は2.8%で、いずれも前回調査(2023年11月〜2024年1月期)から横ばい。不完全雇用率は0.2ポイント下落の1.3%。
昨年12月〜今年2月期のマカオ居住の労働人口は37.90万人、労働参加率は67.7%。就業人口は前回調査から100人増の37.08万人で、マカオ居民に限ると1200人減の28.43万人。業界別では、卸売・小売業と建設業の就業人口が減少となり、ホテル業では増加に。
失業人口は8200人で、前回調査から200人減。新たな職を探す失業者のうち、直前まで小売業、建設業、カジノ・カジノ仲介業に従事していた人の数が多くを占めた。このほか、初めての職探しをする人が占める割合は2.8ポイント下落の6.4%に。
不完全就業者数は前回調査から800人増の4900人。業界別では、運輸・倉庫業が多くを占めた。
前年同時期との比較では、労働参加率、失業率、不完全雇用率がそれぞれ0.6ポイント、1.1ポイント、1.4ポイント下落。
就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者(学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く)で、域外からマカオへ越境通勤するマカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元にマカオ居民及び海外労働者の越境通勤者数は約10.21万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から1200人増の48.11万人。
インバウンド依存度の高いマカオ経済はコロナ禍で長期低迷を余儀なくされ、ローカルの失業率は2022年6〜8月期に過去最悪の5.5%を記録。昨年の年初からはアフターコロナでインバウンド旅客数が急回復し、人材需要にも好影響が及んでいる状況。目下の失業率は2020年初頭の水準。また、コロナ禍では雇用の調整弁となる海外労働者が大幅減となったが、アフターコロナで増加に転じている。
マカオ政府労工事務局(DSAL)は今年も定期的にジョブマッチングフェアの開催、職業訓練機会の提供するなど、ローカルの就業支援に継続して取り組んでいるとのこと。同局によれば、今年に入って以降、3月下旬までに開催したジョブフェアを通じて2742人の就職を支援したとのこと。