マカオと中国本土の警察当局が香港ドル模擬紙幣用いた詐欺グループの100人超を逮捕

 マカオ司法警察局は4月30日、中国本土の警察当局と連携し、「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の香港ドル模擬紙幣を用いた詐欺グループに対する取り締まりを進めてきたことを明らかにした。

 同種の事案は1年余りの間にマカオで70件発生し、約1800万香港ドル(日本円換算:約3.6億円)分が使われたとのこと。これまでの押収量は練功券が約2万枚、撮影用小道具の紙幣が約2千枚に上り、マカオで中国人(中国本土居民)88人を逮捕したほか、中国本土各地でグループの主犯格2人を含む26人が逮捕されたという。

模擬紙幣を用いた詐欺事件で逮捕された人物ら(写真:マカオ司法警察局)

 同局では、昨年の初頭から中国本土の警察当局と捜査を展開。詐欺グループがマカオのカジノ施設周辺で暗躍し、マカオに隣接する広東省珠海市から幹部メンバーがマカオ入りして金のやり取りを行い、またビニール紐で束にするなどの手口で模擬紙幣と判別できる箇所を隠して相手を騙すなどしていたことのほか、一部の構成員は中国本土でオンラインを通じた募集に応じて参加したが、使い捨てにされていたことも明らかになったとした。

 同局によれば、押収した模擬紙幣の大多数が額面1000香港ドルのもので、券面に「練功券」の文字が印刷され、番号はほとんど同じだったが、一部500香港ドル紙幣を模したものもあったとのこと。また、撮影用小道具の紙幣についても券面に「撮影用小道具流通禁止」などの文字が印刷されていたという。

 模擬紙幣が絡む詐欺事件は昨年10月下旬以降から頻発し、同局が累次の注意喚起を行ってきた。

押収された模擬紙幣(写真:マカオ司法警察局)

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