マカオ政府、17年連続で市民に現金支給…1人あたり約19万円、7月に順次実施

世界最大規模のカジノ売上を誇る都市として知られるマカオ。カジノ税という潤沢な財源を抱え、莫大な財政準備を誇る マカオ特別行政区政府は、インフレ対策や富の還元を理由に2008年から居民(マカオ居民IDカード保有者)に対する現金支給を毎年実施している。

 マカオ政府行政会は5月10日に会見を開き、今年度(2024年度)の現金給付の対象及び実施スケジュールなどについて詳細を明らかにした。

 今年度の支給対象は例年同様、前年末時点で有効なマカオ特別行政区永久性居民(永久居留権)及び非永久性居民(臨時居留権)IDカードの保有者(所得や年齢の条件はない)で、支給額は前者が1万マカオパタカ(約19.4万円)、後者が6000マカオパタカ(約11.6万円)。7月初旬から同月末にかけて銀行振込または小切手で一括支給される。

 支給対象人数は約74.8万人、実施にかかる予算は73.6億マカオパタカ(約1425億円)とのこと。

 なお、支給額について、初回にあたる2008年は5000パタカ(約9.7万円)だったが、以降は段階的に増額され、2019年以降は据え置きに。マカオ永久性居民の場合、2024年を含む17年間の累計支給額は14.4万パタカ(約279万円)に上る。

 現金支給のほかにも、マカオ政府は居民に利益をもたらす施策や減税策を講じており、今年度は永久居民には600パタカ(約1.2万円)分の医療クーポン支給、有資格者の個人年金積立口座への7000パタカ(約13.6万円)注入、2022年度の納付済み個人所得税に対する最大60%の還付などが挙げられる。

マカオ特別行政区による現金支給で市民に郵送された小切手のイメージ(資料)=本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…
  3.  マカオ政府統計調査局は11月20日、今年(2024年)1〜9月の小売業販売額調査結果を公表。 …
  4.  マカオ政府統計・センサス局は11月20日、今年第3四半期(2024年7〜9月)の金融業人材需給及…
  5.  マカオ政府公共建設局(DSOP)の発表によれば、コタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun