中国本土から香港・マカオへの個人観光旅行対象地域が59都市まで拡大へ

 中国本土から香港・マカオへの「自由行」と呼ばれる個人観光旅行スキーム(Individual Visit Scheme=IVS)の対象地域に山西省太原市、内モンゴル自治区フフホト市、黒竜江省ハルビン市、チベット自治区ラサ市、甘肅省蘭州市、青海省西寧市、寧夏回族自治区銀川市、新疆ウイグル自治区ウルムチ市の8都市が追加されることが明らかとなった。

 中国の国家出入境管理局が5月11日に発出した公告によれば、上述の8都市でIVSが申請可能となるのは同月27日から。エンドースメントの種類は香港旅行が3ヶ月に1回、3ヶ月に2回、1年に1回、1年に2回、マカオ旅行が3ヶ月に1回、1年に1回で、それぞれ毎回の滞在期限は7日以内とのこと。

 IVSは中国本土居民が個人観光旅行スタイルで香港またはマカオを訪問できる政策のひとつで、SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行で大打撃を受けた香港・マカオの 観光業の支援などから2003年6月に中国中央政府が発表し、同年7月に広東省の4都市(東莞市、中山市、江門市、仏山市)からスタート。以降、2007年初頭にかけて段階的に49都市まで拡大。今年3月に17年ぶりとなる山東省青島市と陝西省西安市の追加があったばかりで、今回の8都市を加え、対象地域は合計59都市となり、また中国本土すべての直轄市、省都及び自治区の首府、副省級市がカバーされた。

 中国本土の対象地域の居民にとって、IVSによって比較的簡単な手続きで香港・マカオへ個人観光旅行へ出かけることができるようになり、両地のツーリズム業の発展に大きく寄与している。マカオ政府は今回のIVS対象地域追加の発表を受け、旅客ソースの拡大によるマカオのツーリズム産業の活性化、中国本土とマカオの間の人文往来などの促進につながり、マカオにとって顕著な経済効果をもたらすと期待を示した。

マカオと中国本土の主要な陸路の玄関口のひとつとなる關閘イミグレーション施設(資料)=2024年5月(写真:マカオ治安警察局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は9月5日、マカオで無資格にも関わらず薬剤の注射による美容医療行為に従事したとし…
  2.  マカオ政府統計・センサス局は9月6日、今年(2024年)5〜7月期の住宅価格指数を公表。 …
  3.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  4.  マカオの多くのカジノ施設が航空会社のマイレージ制度と似た会員プログラムを提供しており、入会するこ…
  5.  マカオ司法警察局は9月5日、マカオの高齢者を狙った特殊詐欺(電話詐欺)事案に関与したとして20代…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun