香港、新たに個人観光旅行解禁対象となる中国本土8都市からの旅客に約4千円分のクーポン券配布へ

 このほど5月27日から中国本土から香港・マカオへの「自由行」と呼ばれる個人観光旅行スキーム(Individual Visit Scheme=IVS)の対象地域に山西省太原市、内モンゴル自治区フフホト市、黒竜江省ハルビン市、チベット自治区ラサ市、甘肅省蘭州市、青海省西寧市、寧夏回族自治区銀川市、新疆ウイグル自治区ウルムチ市の8都市の追加が発表されたを受け、香港・マカオでは経済波及効果に期待が高まっている。

 IVSは中国本土居民が個人観光旅行スタイルで香港またはマカオを訪問できる政策のひとつで、SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行で大打撃を受けた香港・マカオの観光業の支援などから2003年6月に中国中央政府が発表し、同年7月に広東省の4都市(東莞市、中山市、江門市、仏山市)からスタートしたもの。以降、2007年初頭にかけて段階的に49都市まで拡大。今年3月に17年ぶりとなる山東省青島市と陝西省西安市の追加があったばかりで、5月27日からの8都市を加え、対象地域は合計59都市となり、また中国本土すべての直轄市、省都及び自治区の首府、副省級市がカバーされたことになる。

 香港特別行政区の李家超行政長官は5月14日午前の会見で、今回新たにIVS対象地域となった8都市から香港を訪れる個人旅客に対し、さまざまなタイプのレストランやショップで利用できる200香港ドル(日本円換算:約4千円)分のクーポン券を配布することを明らかにした。

 李氏によれば、香港旅遊発展局が上述の8都市の旅行業界代表者や中国本土のメディア関係者向けFAMツアーの実施を通じて香港の見どころとツーリズム関連商品情報の提供を計画しているほか、関係当局が香港と8年を結ぶ航空路線の強化に取り組んでおり、すでに来月(6月)からのハルビン、ウルムチ線の増便計画も出てきているとのこと。

 また、8都市から香港へ年間約30万人のインバウンド旅客が見込まれ、その消費額は12〜15億香港ドル(約240〜300億円)に上るとの見通しも示した。

記者会見に臨む香港特別行政区の李家超行政長官=2024年5月14日(写真:news.gov.hk)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は9月5日、マカオで無資格にも関わらず薬剤の注射による美容医療行為に従事したとし…
  2.  マカオ政府統計・センサス局は9月6日、今年(2024年)5〜7月期の住宅価格指数を公表。 …
  3.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  4.  マカオの多くのカジノ施設が航空会社のマイレージ制度と似た会員プログラムを提供しており、入会するこ…
  5.  マカオ司法警察局は9月5日、マカオの高齢者を狙った特殊詐欺(電話詐欺)事案に関与したとして20代…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun