マカオ文化局が貴重な古籍の電子版第二弾をリリース

 近年、マカオ政府文化局(ICM)では、先人の知識と知恵を広く伝え、文化交流の促進につなげたるため、管轄下にある図書館が収蔵する古籍について、現代のテクノロジーを活用してデジタル化を進めることで、古籍の自然光や空気などに長時間曝露されることによる損傷を防ぐと同時に、各地からデジタルデータにアクセスして閲覧、研究できる利便性の向上を図っているという。

 同局は5月21日、新たに第二弾の古籍の電子版をとして、マカオ中央図書館及びセナド図書館、ロバート・ホー・トン図書館が所蔵する73種、108冊分リリースしたと発表。セナド図書館が所蔵する最も古いラテン語の古籍『Regni Chinensis Descriptio(『中国キリスト教布教史』第1巻)』や『中葡和好通商条約』、ロバート・モリソン編纂『華英辞書』、ジョン・バニヤン著『天路歴程』の広東語翻訳版、往時のマカオの様子を知ることができる『マカオ年鑑』、地籍簿、マカオの小中学校で採用されていた中国語・ポルトガル語・英語の教科書などが含まれるという。なお、2023年にリリースされた第一弾は654冊分に上る。

マカオ・セナド図書館の館内イメージ(写真:ICM)

 マカオの図書館が所蔵する貴重な古書の電子版はマカオ政府文化局公共図書館公式ウェブサイト等からアクセスできるとした。

 同局では、古籍のみならず幅広い文化資産のデジタル化を進めており、世界遺産建築物をはじめとする多くの文物及び文化施設についてもVR(バーチャルリアリティ)技術を使ったオンライン参観サービスを展開している。

ラテン語古籍「Regni Chinensis Descriptio」の表紙イメージ(写真:ICM)

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