SJMホールディングスがマカオの飲食業務拡大…2件の戦略的買収プロジェクト発表

 マカオ政府とカジノ経営コンセッションを締結する6陣営の一角にあたるSJMホールディングス社(香港上場)は5月21日、マカオにおける2件の戦略的買収プロジェクトを公表した。

 1件目は同社の株主であるSTDM社に対して3回に分けて総額1.66億香港ドル(日本円換算:約33.2億円)を支払い、マカオ半島中央部の伝統的な繁華街、新馬路に位置する「カムペックコミュニティセンター(金碧文娯中心)」を取得し、3階建てのビルをリノベーションすることにより、大衆向けのグルメスポットを創り上げるというもの。本件の目的として、マカオ政府とのカジノ経営コンセッションにおけるノンゲーミング分野への投資コミットメント履行を挙げたほか、同社グループがマカオ半島で運営するホテルとの相乗効果が見込めること、またさまざまな客層を呼び込み、リピーター化が期待できるとした。

マカオ・新馬路。赤丸部分が「カムペックコミュニティセンター」=2024年4月本紙撮影

 2件目はSTDMが間接的に所有する2つの子会社(コタイ地区にあるグループ会社運営の統合型リゾート「グランドリスボアパレス」内に開店するカフェ「EL&N」とピザ店「Mamma Pizza」に絡む)の全株式と関連するシェアホルダーローンを3150万香港ドル(約6.3億円)で取得するもの。グループの国際料飲施設の多元化による大衆市場拡大戦略に沿ったものであると同時に、コスト管理、価格戦略、サービス品質等の面でグループの事業運営体制を強化し、効率化を図るとした。

 SJMホールディングス社会長でSJMリゾーツ社常務董事のデイジー・ホー氏は今回の発表について、マカオのグルメ界における先駆者として、ハイエンドレストラン分野での競争力を活かし、成長する大衆市場についてもラインナップの拡充を進めていきたいとした。

マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)施設「グランドリスボアパレス」外観(資料)=2021年8月本紙撮影

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