マカオ、違法両替商の男が強盗被害…ホテル客室で取引相手から襲われる

 マカオ司法警察局は5月27日、同月12日にコタイ地区にある統合型リゾート(IR)併設ホテルの客室内で発生した強盗事件について、中国人(中国本土居民)の自称商人の男(53)を逮捕したと発表。

 同局によれば、被害者は違法両替に従事する男性で、取引相手のいるホテル客室へ出向いたところ、相手の男が突然殴りかかってきた上、ワインオープナーの先端部を首に当てられ、所持している金品を渡すよう要求。被害者は身の安全を考え、所持していた現金6万香港ドル(日本円換算:約120万円)、カジノチップ4万香港ドル(約80万円)分、およそ5千人民元(約11万円)相当の腕時計を差し出し、相手の男と部屋の中にいた女1人がそれを持って部屋を出て行ったとのこと。その後、被害者は客室を出てホテルロビーへ向かい、警察に通報したという。

 通報を受けた同局が捜査に着手し、容疑者2人の身元の特定に成功したが、両人ともマカオから中国本土へ出境済みだったことが判明。その後、25日に男が再びマカオへ入境したため、イミグレーション施設内で逮捕に至り、この際、男は現金3万香港ドル(約60万円)とカジノチップ400香港ドル(約8千円)分を所持していたとのこと。

 男は同局の調べに対して協力を拒んでいるものの、同局では捜査で得られた証拠から男の関与は明らかとして強盗罪で検察院送致するとした上、女の行方を追っているとした。

 マカオのカジノでプレイする際には主に香港ドル建てのチップが用いられることから、中国本土から人民元を持ち込む旅客にとって香港ドルの現金やチップとの両替が必要となるケースがある。

 かねてよりマカオのカジノ施設内外においては違法両替商が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発していることから、警察当局が社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨むほか、インバウンド旅客に対して詐欺被害を避けるため正規ルートでの両替を行うよう呼びかけもなされている。

警察が公開した証拠品(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…
  3.  マカオ政府統計調査局は11月20日、今年(2024年)1〜9月の小売業販売額調査結果を公表。 …
  4.  マカオ政府統計・センサス局は11月20日、今年第3四半期(2024年7〜9月)の金融業人材需給及…
  5.  マカオ政府公共建設局(DSOP)の発表によれば、コタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  5.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun