マカオ、2024年1Qの犯罪件数が18%増も依然コロナ前2019年水準下回る

 マカオ保安司司長弁公室は5月28日に会見を開き、今年第1四半期(2024年1〜3月)の犯罪統計及び法執行状況に関する総括レビューを発表した。

 今年第1四半期のマカオにおける総犯罪件数(犯罪捜査着手数)は3548件で、前年同時期から18.0%増だった。ただし、コロナ前2019年同時期との比較では5.5%減。

 総件数増加の要因として、ネットワーク詐欺が急増していることを挙げ、重大暴力犯罪ほか大多数の犯罪カテゴリーについてはコロナ前から明らかに減少しているとした。

 今年第1四半期の暴力犯罪は24.2%増の77件で、誘拐、殺人、重大傷害といったものについてはゼロまたは低発生率を維持。人身侵犯罪は1.4%減の563件、財産侵犯罪(詐欺、窃盗、強盗、暴利、ゆすり等)は23.9%増の2186件、社会生活妨害罪(放火、文書偽造、偽造通貨行使等)は2.3%増の176件、地域に対する犯罪(違令、虚偽陳述等)。IT犯罪、偽装結婚・雇用、麻薬吸引、不法滞在、麻薬密売等を含むその他犯罪は37%増の515件に。

 また、今年第1四半期の検察院送致人数は54.5%増の1438人、青少年犯罪は6.9%増の31件、不法入境は33.8%増の95人、オーバーステイは6.0%増の3797人。不法入境者はすべて中国本土居民、オーバーステイについては96.3%を占めた。

 このほか、カジノ関連犯罪については193件で、前年同時期から122.2%増、2019年同時期からは19.9%減。保安司では、前年同時期からの増加について、インバウンド旅客数の大幅増とカジノ業界の復活と関連しているとした上、依然として2019年同時期との比較では減少となっており、警察当局による的を絞った抑止及び取り締まり策が奏功しているとの考えを示した。

 カジノ関連犯罪の内訳は詐欺が全体の21.7%、暴利(高利貸し)が17.9%、窃盗が13.7%、不当占有が12.8%、違令(カジノ入場禁止)が9.1%、他人の行動の自由剥奪(非法監禁)が2.8%などとのこと。

2024年第1四半期のマカオ犯罪統計及び法執行状況に関する総括レビュー会見の様子。中央が黄少澤マカオ保安司司長=2024年5月28日(写真:GCS)

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