マカオの2024年4月貨幣・金融統計公表…不良債権比率は4.3%に、上昇続く

 マカオ政府金融管理局は6月5日、今年(2024年)4月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下記の通り。

【マネーサプライ】
 流通貨幣が前月から0.9%、通知預金が0.3%のそれぞれ下落となり、M1は0.5%減。また、準通貨負債は0.1%増加。M1及び準貨幣負債を含む広義貨幣供給量M2は0.1%増、金額は7458億マカオパタカ(日本円換算:約14兆4192億円)に。前年同月との比較では、M1が7.0%下落、M2が3.1%上昇。M2に占める通貨別の比率はマカオパタカが33.7%、香港ドルが44.9%、人民元が7.2%、米ドルが12.7%。

【預金】
 マカオ居民(マカオ居留権保有者)による預金残高は前月から0.1%増の7251億マカオパタカ(約14兆0190億円)、非居民による預金残高は3.5%増の3275億マカオパタカ(約6兆3318億円)、公共部門の銀行システムへの預金残高は4.1%増の2009億マカオパタカ(約3兆8842億円)となり、これらを総合して計算した銀行システムの預金残高は1.6%減の1兆2535億マカオパタカ(約24兆2350億円)で2ヶ月ぶり増に。このうち、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの占める割合はそれぞれ19.9%、45.4%、8.1%、24.9%。

【融資】
 地元民間部門への融資は前月から0.9%減の5324億マカオパタカ(約10兆2934億円)。対外民間部門への融資は2.2%増の5486億マカオパタカ(約10兆6066億円)。民間部門へ融資額は合計で0.6%増の1兆0810億マカオパタカ(約38兆3004億円)となり、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの比率はそれぞれ20.7%、44.9%、11.9%、19.5%。

【預貸率/不良債権比率】
 銀行のマカオ居民に対する預貸率は今年4月末時点で前月末から1.1ポイント下落の58.6%。非マカオ居民含む総体預貸率は0.9ポイント下落の86.2%。1ヶ月及び3ヶ月ベース計算による流動資産対負債比率はそれぞれ58.5%、55.3%水準。このほか、不良債権比率は0.1ポイント上昇の4.3%に。このところ不良債権比率は上昇が続いている。

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

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