広東省・香港・マカオ警察当局が合同で越境不法賭博犯罪組織を摘発…計93人逮捕

 マカオ司法警察局は7月1日、前月(6月)29日に広東省と香港の警察当局と合同で越境不法賭博犯罪組織の摘発を実施し、マカオで組織のトップ及び幹部を含む50人を逮捕したと発表。

 同局によれば、この犯罪組織はオンラインでいわゆるノミ屋を営み、今年のサッカー欧州選手権開催期間中に集めた賭け金は毎週少なくとも7200万パタカ(日本円換算:約14.4億円)に上り、2016年から現在までの累計掛け金では10億パタカ(約200億円)超に達するとみられるという。

 2022年11月のマネーロンダリング事件の捜査でマカオ人の男3人が不法賭博経営に関与していたことをきっかけに当該組織に関する捜査を別立てで進めたところ、長期にわたって経営され、広東省、香港、マカオから多くの人物が参加していたことが判明しため、広東省と香港の警察当局と合同捜査を展開するに至り、当該組織が海外に設置したサーバーを使ってサッカー・バスケットボールの試合へ賭博サービスを提供するウェブサイトを運営し、合法賭博サイトより有利な配当を謳って客を集めていたことが明らかになったとのこと。

 マカオにおける摘発では警察官200人以上を動員して行われ、マカオ各所で50人を逮捕したほか、現金800万パタカ(約1.6億円)以上、大量のスマートフォン及びパソコン、書類などの証拠品を押収。さらに、逮捕者のうち4人がマカオ半島北部で非合法なカジノ施設を経営していたこともわかったという。

 なお、中国本土では42人が逮捕、非合法賭博資金約8000万人民元(約17.8億円)が押収され、公安当局が約2200万人民元(約4.9億円)の犯罪資金に絡む92の銀行口座を凍結、香港では資金受け取り用の銀行口座を提供したとして1人が逮捕された。同局では、広東省と香港の警察当局と合同で当該組織に関する詳細調査を継続し、逃走中の関係者及び資金の行方を追うとした。

マカオ司法警察局による記者会見の様子=2024年7月1日(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

最近の記事

  1.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  2.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  3.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…
  5.  マカオ政府統計調査局は11月20日、今年(2024年)1〜9月の小売業販売額調査結果を公表。 …

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun