タイパの駐車場価格10%上昇―駐車場不足深刻

マカオ経済の好調を受け、市民のマイカー購入が増えている。地元の大手駐車場専門不動産仲介会社によると、マカオの駐車場価格は昨年(2013年)に一気に70~80%上昇した後、今年に入って少し落ち着いたというが、旧正月後に再び3~5%上昇。特にタイパでは10%程度の上昇がみられたという。

4月22日付地元有力紙「澳門日報」が伝えた。地元の大手駐車場専門不動産仲介会社車位皇の陳力旗社長によると、旧正月前はマーケットの閑散期となったが、旧正月後に調子を取り戻し、総体駐車場取引価格は3~5%程度の上昇しているという。ここ1か月、香港のマンション及び駐車場価格が下落に転じているが、マカオの買い手も様子見の状況で、ここ半月の取引は膠着状態とのこと。

しかし、マカオの経済発展が今後も続く見込みである中、マカオ政府はマイカー台数の増加に対する対応を全く計画していないことから、駐車場に対する需要は依然として高い状況が続いている。

タイパの駐車場価格の上昇が目立つのは、横琴新区の影響によるものとされる。横琴新区の発展に高い期待を示す投資家は多く、横琴に近いタイパの駐車場への投資につながっている。今年1~4月のタイパの駐車場取引価格は10%上昇した。

一方、横琴新区は今後マカオとの間で人の出入りが簡略化されるほか、マカオの自動車も出入りが自由となる見通し。横琴新区の開発が一段落した時点で、現在タイパに住む香港人労働者の一部がより安い家賃の横琴に転居する可能性もあり、その時点でタイパのマンション及び駐車場需要が減退する可能性も指摘されている。

月極駐車場については、今年に入って契約更新をする際、概ね月額500パタカ程度の値上がりとなっており、上昇幅は40%にも達している。マカオ半島の人口密集地として知られる筷子基エリア區、高士德エリアでは早々に2000パタカ、タイパでも1000パタカを超え、林茂塘、東方明珠といった一部マンションでは3000パタカ以上という月額賃料も珍しくなく、1つの駐車スペースの空きを3~4人が待っている状況もみられるという。

陳社長によると、現在ほぼ1世帯に1台が自家用車を所有しており、給与増に伴い若年層によるマイカー購入意欲も増大している中、駐車場需要が高まっているという。また、近年新築されたマンションでは駐車場の供給が不足しており、戸数と駐車場の割合は2:1で、こういった状況駐車場価格の高騰につながっているとみる。

人口の多いマカオ半島北部の駐車場不足は特に深刻で、公園などを公共停車場に転用するなどの措置が必要とも語っている。

現在、マカオで自動車を購入する際の初期費用や維持費は日本と比較して格段に安い。車庫証明制度も未導入で、路上駐車なども大きな社会問題となっている。

マカオの路上に設置されているコインパーキング(資料)―本紙撮影

マカオの路上に設置されているコインパーキング(資料)―本紙撮影

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