マカオの高齢者狙った電話詐欺に関与…香港人の受け子の女逮捕

 マカオ司法警察局は8月28日、マカオの高齢者を狙った特殊詐欺(電話詐欺)事案に関与したとして20代の香港人の女を逮捕したと発表。

 同局によれば、同月26日、マカオ高齢女性の家族から電話詐欺の被害に遭ったとする通報が寄せられたとのこと。同日午前、女性宅の固定電話に”息子”を名乗る人物から電話があり、相手は急きょ30万パタカ(日本円換算:約540万円)現金が必要になり、他言せず現金を用立ててほしいと話し、女性は息子と声が似ていたことから電話の内容を信じて銀行へ現金を引き出した後、昼すぎに自宅近くまで受け取りに来た”息子の友人”を名乗る女に手渡したという。

 同日午後、再び”息子”から50万パタカ(約900万円)を追加で用意してほしいと連絡があり、女性が銀行へ行き現金を引き出そうとしたところ、銀行職員が詐欺被害に遭っているのではないかとみて女性の家族へ連絡を入れ、家族が確認した結果、詐欺被害に遭っていたことがわかったことから、同局へ通報するに至ったという。

 通報を受けた同局が調査を進め、容疑者の女は被害者から受け取った現金を同日中にマカオ域内で仲間とみられる2人の男に渡し、その後はマカオ半島北区にあるホテルに滞在していたことが判明。翌日(27日)、当該ホテル客室で女の逮捕に成功。女は同局の調べに対し、香港の電話詐欺グループから報酬を得て”受け子”の役割を引き受けていたことを認めたといい、同局は女を巨額詐欺罪で検察院送致するとともに、グループの他のメンバーと詐取した現金の行方について捜査を継続するとした。

 マカオでは今年(2024年)5月以降、香港の犯罪組織が関与したとみられる電話詐欺事案が相次ぎ発生しており、同局は電話詐欺に関する累次の注意喚起情報を発出している。

警察が公開した特殊詐欺事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

最近の記事

  1.  総合不動産サービス企業のJLL(仲量聯行)は9月19日、およそ4年半ぶりとなる米国の利下げを受け…
  2.  マカオ政府環境保護局(DSPA)は9月19日、同局が2017年から展開している「電子・電器設備回…
  3.  香港に隣接する広東省深セン市で9月18日朝、日本人学校に通う児童が登校中に刺されて負傷する事件が…
  4.  マカオ金融管理局(AMCM)は9月19日、政策金利にあたる基準金利を50ベーシスポイント引き下げ…
  5.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun