マカオ、2024年7月の新規住宅ローン承認額が前月から5.5%増…延滞率は4.2%まで上昇

 マカオ金融管理局が9月11日に公表した今年(2024年)7月の住宅及び商業物件向けローン関連統計によれば、対前月の新規ローン承認額は住宅不動産向けが2ヶ月連続増、商業不動産向けが2ヶ月連続減だったとのこと。

 今年7月の新規住宅ローン貸付承認総額は前月から5.5%増の12.7億パタカ(日本円換算:約224億円)。このうち、マカオ居民(=マカオ居民IDカード保有者)向けが前月から4.9%増の12.3億パタカ(約217億円)で、全体の97.1%を占めた。非居民向けについても30.0%増の3700万パタカ(約6.5億円)に。直近3ヶ月でみると、今年5〜7月の新規住宅ローン貸付承認額の月次平均値は11.6億パタカ(約205億円)で、今年4〜6月との比較で3.4%減。

 新規商業物件向けローン貸付承認額は12.6%減の19.2億パタカ(約339億円)。このうち、マカオ居民向けが前月から13.1%減の19.0億パタカ(約335億円)で、全体の99.0%を占めた。非居民向けについては2000万パタカ(約3.5億円)まで増加。直近3ヶ月でみると、今年5〜7月の月次平均値は23.3億パタカ(約411億円)で、今年4〜6月との比較で10.8%増。

 今年7月末時点の住宅ローン融資残高は期内に複数の大口融資が完済されたことを受けて前月から0.5%減、前年同月から4.1%減となる2235.6億パタカ(約3兆9444億円)。マカオ居民が占める割合は95.6%。マカオ居民向けの住宅ローン融資残高は前月から0.4%減、非居民向けについては2.4%減。

 商業物件向けローン融資残高は前月から0.3%減、前年同月から4.5%減となる1536.3億パタカ(約2兆7106億円)。マカオ居民が占める割合は93.5%。商業物件ローン融資残高は前月からマカオ居民向けが0.2%減、非居民向けが0.5%減。

 今年7月末締めの住宅ローン延滞率は4.2%で、前月から0.7ポイント上昇、前年同月から3.6ポイント上昇。商業物件向けローン延滞率は3.8%で、前月から0.3ポイント上昇、前年同月から2.0ポイント上昇。

 マカオでは昨年1月初旬のウィズコロナ転換を機にインバウンド市場の回復が進み、経済波及効果が期待されている。一方で、不動産市場については相次ぐ利上げといった懸念材料も存在。しばらくの間、取引件数、平均平米単価とも振るわない状況が続いていた。今年の年初からは不動産価格抑制策の一部緩和もスタートしたが、目立ったかたちでのポジティブな影響は見受けられず、4月20日から不動産価格加熱抑制策が全面撤廃すされるに至り、以降の動向が注目されている。

マカオの新興住宅街にあたるタイパ新城区の町並み(資料)=2023年10月本紙撮影

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