マカオ金融管理局がデジタル法定通貨「e-MOP」の研究開発進行中…返還25周年に合わせ披露か

 マカオは中国の特別行政区にあたるが、マカオパタカ(MOP/澳門元)という独自の法定通貨を有する。

 マカオ金融管理局は9月23日、グローバルなデジタルエコノミーの発展ニーズへの対応とマカオ特別行政区の法定通貨基盤のアップグレードのため、中央当局の支援と中国中央銀行のデジタル貨幣に関する最先端技術の強みを生かし、現在「e-MOP(數字澳門元)」の研究開発を進めていると発表。

 当プロジェクトについて、中国の「一国二制度」の制度的利点を生かし、デジタル金融の革新的発展を支えるインフラを構築し、マカオにおけるスマートシティの建設と経済の適度な多様化に新たな弾みをつけるとともに、中央銀行のデジタル通貨戦略の実施を補完するものとした。

 e-MOPは一般的な民間の暗号通貨とは異なり、デジタル形式の法定通貨という位置付け。昨年、マカオの「貨幣発行法」が改正され、e-MOPと現物のMOP紙幣及び硬貨が同等の法的地位と貨幣価値を持つと定められた。

 現在、同局は計画に基づいてe-MOPの研究開発プロジェクトを進めており、(2024)年内に基本機能を備えたプロトタイプシステムを構築し、12月のマカオ返還25周年に合わせてe-MOPの機能や応用事例を披露する予定とのこと。

 同局では、今後のe-MOPの正式ローンチに向けて、通貨体系安全性と安定性を確保するためのプロトタイプシステムを使ったサンドボックス試験、応用シナリオの模索、各種リスクの慎重な検討、マカオ市場の実情に合った補完的なレギュレーションの策定といった適切な準備を進めるという。

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