マカオ国際空港の埋め立て伴う拡張工事が年内着工へ…2030年下半期完成予定

 マカオの主要な空の玄関口・マカオ国際空港の運営会社にあたる澳門國際機場專營股份有限公司(CAM)は10月3日、同日同空港の埋め立てを伴う拡張工事のための用地認可を受け、今年(2024年)の年末までに正式着工し、2030年下半期に完成予定であると発表した。

 同社によれば、今回の工事は現在の海上に突き出たかたちの滑走路(人工島)と誘導路ブリッジの間を埋め立て造成し、エプロン容量の拡大や駐機スペース及び高速脱出誘導路の増設を図り、かつ陸地側と滑走路島との間に95メートル幅の水路を残すというもので、新旅客ターミナルビルの拡張などを含めて最終的に年間旅客輸送量キャパシティが延べ1500万人まで増強できるとのこと。

マカオ国際空港の現況(写真:CAM)

 また、工事期間中の空港運営への影響を最小限にとどめるため、一部工事は夜間に行うとし、埋め立て造成後、2026年上半期から2028年下半期にかけてエプロン部の施工、2027年に新たな誘導路ブリッジの建造、2028年に既存の誘導路ブリッジの撤去を行うなど、段階的に工事を進めていくという。

 同社では、このプロジェクトのスタートはマカオの民間航空業界発展における新たなマイルストーンとなるとした。

 マカオ国際空港はタイパ島の北東部にあり、ポルトガル統治時代の1995年に開港。コロナ禍で一時的に旅客輸送量は落ち込んだが、コロナ前までは右肩上がりの伸長が続き、キャパシティ拡大のため拡張計画が持ち上がった経緯がある。目下、アフターコロナで旅客輸送量の回復が進んでいる状況。今年1〜9月累計の旅客輸送量はコロナ前2019年同時期の約8割。

マカオ国際空港の埋め立て伴う拡張工事のイメージ図(図版:CAM)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…
  3.  マカオ政府統計調査局は11月20日、今年(2024年)1〜9月の小売業販売額調査結果を公表。 …
  4.  マカオ政府統計・センサス局は11月20日、今年第3四半期(2024年7〜9月)の金融業人材需給及…
  5.  マカオ政府公共建設局(DSOP)の発表によれば、コタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun