マカオ、カジノ施設内で違法両替従事の中国人逮捕…対策新法施行でパトロール強化の中

 近年マカオでは”換銭党”と呼ばれる違法両替従事者が主にカジノ施設内外で暗躍し、暴力、詐欺、窃盗、密航などさまざまな事件を引き起こしてきたことから、犯罪の温床として社会的問題化。対策の一環として、換銭党による違法両替行為を刑事罰の対象とするマカオの新法「打撃非法賭博犯罪法(違法賭博犯罪対策法)」が今月(10月)29日に施行され、マカオ司法警察局がパトロールを強化して臨んでいる。

 マカオ司法警察局は10月31日、同法施行から2日目となる30日午前、コタイ地区にあるカジノ施設で換銭党の中国人(中国本土居民)の男1人を同法違反で逮捕したと発表。

 同局によれば、パトロール中の警察官がカジノ施設内にある喫煙ルームで換銭党とみられる不審な男を発見して動向を追っていたところ、この男が客にスマートフォンの二次元バーコード表示画面を見せ、客がこれをスキャンした後、客にゲーミング(カジノ)チップを渡す様子が確認できたことから職務質問を実施。客が違法な両替を通じて入手した2万1000香港ドル(日本円換算:約41万円)分のゲーミングチップを所持していることなど違法両替行為があった証拠が確認されたため、換銭党の男を逮捕するに至ったとのこと。

 男は同局の調べに対して容疑を認めた上、1万香港ドル(約20万円)を両替する毎に80香港ドル(約1570円)の差額を得ていたなどと供述。同局では、男を最大5年の禁固刑が科せられ、犯罪に絡む金銭・有価物のすべてが押収となる違法賭博犯罪対策法の賭博目的違法両替経営罪で検察院送致するとした。同法の施行後、これに絡み逮捕・検察院送致されたケースは2件目で、1件目も発見に至った経緯は同様。

 同局では、換銭党に対する取り締まりを継続実施するとともに、広く公衆に対して刑事罰の対象であるこれに関与しないこと、また両替の際は合法的なルートを利用するよう呼びかけた。

警察が公開した証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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