マカオ、異臭通報きっかけで商業ビル内に開設された運び屋向け密輸品供給拠点摘発…牛もつ455kgなど発見

 澳門海關(マカオ税関)は11月1日、前月(10月)31日午後、マカオ治安警察局へマカオ半島北部の祐漢エリア所在の商業ビルにおける異臭に関する通報があり、消防局と合同で調査を行った結果、ビル内のテナントに貯蔵されている食材が原因であることがわかると同時に、このテナントが運び屋向け商品供給拠点の可能性が浮上し、税関と合同で摘発を実施するに至ったと発表。

 摘発時、テナント内には責任者の男1人と店員の男女2人がおり、中から牛もつ約455キログラムと電子製品465点、合わせて市価およそ8.8万パタカ(日本円換算:約168万円)相当が見つかったという。

 店内にいた責任者の男と店員の男女は3人とも中国人(中国本土居民)の60代で、税関では責任者の男が運び屋を組織してマカオから中国本土への密輸出することにより正当な貿易活動の規制逃れを企図したとし、対外貿易法違反で起訴、発見した物品全量を押収するとともに、食材の保管状況(温度管理)が食品安全法に触れる可能性があるとみて市政署に通報したほか、営業許可証なし運営も判明し、それぞれ関係当局が調査を進めるほか、上述の3人について、違法就労で検察院送致する方針とした。

商業ビル内に開設された密輸品供給拠点に対する摘発の様子=2024年10月31日(写真:澳門海關)

 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。

 税関では、本件の発表に合わせ、広く公衆に対して報酬を目当てに運び屋行為へ従事しないよう累次の呼びかけを行うとともに、今後も取り締まりを適宜調整しながら全力で運び屋行為を撲滅する考えを示した。

詳しい調査のため税関本部へ連行される密輸品供給拠点の責任者と店員の男女=2024年10月31日(写真:澳門海關)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオの統合型リゾート(IR)運営会社MGMチャイナホールディングス(以下、MGM)と国際スポー…
  2.  このほどマカオ政府財政局(DSF)が公表した最新統計によれば、今年(2024年)10月前半の住宅…
  3.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月4日夜、マカオ域内で今年(2024年)3例目となる当地デング熱…
  4.  マカオ・新口岸エリアにあるリゾート施設マカオフィッシャーマンズワーフの特設会場で去る11月2日と…
  5.  このほどマカオ国際空港運営会社にあたる澳門國際機場專營股份有限公司(CAM)が公表した資料によれ…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun