マカオで80代男性が”人食いバクテリア”ビブリオ・バルニフィカス菌感染…今年6例目、調理中に魚のヒレが指に刺さる

 マカオ政府衛生局は11月8日夜、マカオで「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌のひとつ、ビブリオ・バルニフィカス菌の新規感染確認例が1件報告されたと発表。

 患者は80代のマカオ人男性。11月3日夜に自宅で魚の調理をしていたところ、手元を誤って魚のヒレが左手中指に刺さったという。翌日(4日)左手に腫れが現れ、翌々日(5日)には右ふくらはぎの腫れも加わったことから、私立総合病院の鏡湖醫院を受診したところ、入院治療が決まったという。同院での身体検査で左手及び右ふくらはぎに明らかな腫れが認められ、左手及び右ふくらはぎの壊死性筋膜炎と診断。入院後、感染・壊死組織の除去と創の清浄化及び集中治療室での治療が行われ、8日に血液検査結果が判明し、ビブリオ・バルニフィカス菌の感染確認に至ったとのこと。なお、患者は依然として入院治療を受けているが、容体は安定しているという。

 衛生局では、ビブリオ・バルニフィカス菌は温暖地域の海水中に自然に存在する細菌で、傷口が菌を含む海水に触れたり、汚染された魚介類の摂取により感染を引き起こす可能性があるとし、皮膚に傷がある場合は海水との接触を避ける、傷口を清潔に保ち適切に保護する、魚介類を口にする際及び調理において取り扱いに注意するなどの対策のほか、生命に関わるため、摂取や接触後に下痢、嘔吐、腹痛、皮膚の腫れ、痛み、化膿といった感染が疑われる症状が出現した際には速やかに医療機関を受診するよう呼びかけた。

 マカオにおけるビブリオ・バルニフィカス菌の感染確認例は今年に入って以降で6例目で、調理、遊泳、ビーチ遊び、鮮魚売場訪問などがきっかけ。感染したこのうち今年第1例目(4月中旬)となる患者は死亡に至っており、自宅で魚介類を処理して食べていたことがわかっている。

 昨年も感染例が相次ぎ出現し、コロアン島のビーチで遊泳中と散歩中に手や足の指が魚のヒレと接触して負傷したことによるケースが2件、コロアン島・コロアンヴィレッジ付近の堤防で魚釣りをしている男性が釣れた魚を掴む際に手の一部が魚のヒレと接触して刺傷を負ったことによるケースが1件、公設市場の鮮魚売場で誤って魚のヒレで指に刺傷を追ったことによるケースが1件の計4件確認されたが、死亡例はなかった。

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)=本紙撮影

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