マカオ、2024年8〜10月期の総体失業率1.7%…コロナ前水準回復

 マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月29日、今年(2024年)8〜10月期の雇用統計を公表した。

 総体失業率は1.7%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者、いわゆるローカル)に限った失業率は2.3%で、いずれも前回調査(2024年7〜9月期)から横ばい。不完全雇用率は前回調査から0.1ポイント上昇の1.1%。

 マカオ居住の労働人口は38.42万人、就業人口は37.75万人で、それぞれ前回調査から1800人減。マカオ居民に限ると1200人減の28.65万人。業種別の就業人口動向では、建設業とゲーミング(カジノ)業で増、ホリデーシーズンだったことを受けてホテル・飲食業で増となった。

 失業人口は横ばいの6700人。コロナ前2019年同時期との比較では300人減。卒業生が労働市場へ投入される時期にあたり、初めての職探しをする人が占める割合が2.2ポイント上昇の18.2%に、新たな職を探す失業者のうち、直前までゲーミング業、小売業に従事していた人の数が多くを占めた。

 不完全雇用者数は500人増の4700人。業種別では、建設業、ビジネスサービス業、運輸・倉庫業に従事する人の数が多くを占めた。

 前年同時期との比較では、労働参加率(67.8%)、失業率(1.7%)、不完全雇用率(1.2%)がそれぞれ0.5、0.7、0.3ポイント下落。

マカオ政府労工事務局では統合型リゾート(IR)運営企業との協力や大型ジョブフェアの開催など各種ローカルの就職・転職支援策を展開している(資料)=写真:DSAL

 就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者(学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く)で、域外からマカオへ越境通勤する マカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元にマカオ居民及び海外労働者の越境通勤者数は約10.38万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から1600人減の48.80万人。

 インバウンド依存度の高いマカオ経済はコロナ禍で長期低迷を余儀なくされ、ローカルの失業率は2022年6〜8月期に過去最悪の5.5%を記録。昨年の年初からはアフターコロナでインバウンド旅客数が急回復し、人材需要にも好影響が及んでいる状況で、今年8〜10月期の失業率はすでにコロナ前水準まで回復。コロナ禍では雇用の調整弁となる海外労働者数が大幅減となったが、アフターコロナで増加に転じている。

 マカオ政府労工事務局(DSAL)は今年も定期的にジョブマッチングフェアの開催、職業訓練機会の提供するなど、ローカルの就職・転職支援に継続して取り組んでいるとのこと。同局によれば、今年1月〜10月に開催したジョブフェア等のマッチング機会を通じて1万3579人の就職を支援しており、今後も雇用市場の動向を注視しながら、多種多様なジョブマッチング機会を提供していくとした。

マカオ政府労工事務局では統合型リゾート(IR)運営企業との協力や大型ジョブフェアの開催など各種ローカルの就職・転職支援策を展開している(資料)=写真:DSAL

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