マカオの2024年10月飲食業・小売業景気調査結果公表…国慶節GWの恩恵受け両業界とも売上額対前月上昇

 マカオ政府統計・センサス局は12月18日、今年(2024年)10月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表した。マカオのツーリズム市場において10月は多客期の「十・一黄金週(国慶節ゴールデンウィーク)」があり、ハイシーズンとされている。

 同局の調査に回答した飲食業者の売上額は前月から6.8%上昇。ジャンル別ではチャイニーズスタイルの酒楼・飯店と西洋スタイルのレストランがそれぞれ10.6%、8.6%上昇、日韓レストランは1.0%下落。また、小売業者の売上額も28.6%上昇。前ジャンル別で上昇となり、中でも成人ファッション(+45.6%)、革製品(+39.5%)、時計・ジュエリー(+32.6%)、コスメティック・衛生用品(+30.0%)が顕著な上昇だった。

 前年同月と比較した売上額については、飲食業で1.8%下落、小売業についても13.3%下落。飲食業ではチャイニーズスタイルの酒楼・飯店5.8%%下落、日韓レストランは9.4%上昇。小売業では時計・ジュエリー、百貨、コスメティック・衛生用品がそれぞれ25.1%、16.9%、12.3%下落、自動車は41.4%上昇。

 10月と比較した11月の見通しについては、ハイシーズンの翌月となることから、飲食業の49%が下落、8%が下落、小売業では42%が下落、22%が上昇とした。なお、飲食業のうちチャイニーズスタイルの酒楼・飯店の66%と西洋スタイルのレストランの48%、小売業のうち革製品小売の63%、時計・ジュエリー小売の52%、百貨商の50%が下落と回答した一方、自動車販売店とコスメティック・衛生用品小売ではそれぞれ64%、40%が上昇と回答。

 売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が29.2、小売業が39.8で、いずれも基準値となる50を下回り、10月に比べて11月の売上が悪化するとみていることを示す結果に。

 なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。

 マカオでは昨年1月初頭のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、直近まで勢いを維持している。今年1〜8月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から32.7%増の2339万2903人、2019年同時期と比較した回復率は85.3%。ただし、アフターコロナでは、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、リベンジ消費の減退、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことで「北上消費」と呼ばれる広東省珠海市への消費流出など、マカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとの指摘もある。

2024年国慶節ゴールデンウィーク中のマカオの観光名所「聖ポール天主堂跡」周辺の様子(写真:MGTO)

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