アフリカから就労のためマカオ入りした男性1人がマラリア感染確認

 マカオ政府衛生局(SSM)は1月9日夜、マカオで今年(2025年)初めてとなる輸入性のマラリア感染確認例があったと発表。

 患者はマカオで就労する海外労働者の男性(49)で、約3ヶ月前にアフリカからマカオ入り。1月8日に悪寒、頻尿、茶褐色の尿が出現したため、自力で私立の大型総合病院として知られる鏡湖醫院を訪れて診察を受け、同院で実施した血液サンプル検査の結果、マラリア原虫が検出され、マラリアと診断されるに至ったとした。

 同局では、患者の渡航歴、発症時間、検査結果を総合し、輸入性マラリア感染例と判断。目下、患者の容体は安定しているという。

 同局によれば、マラリアは命の危険を伴う重大な感染症であり、雌のハマダラカ(羽斑蚊)に刺されることでマラリア原虫が媒介されヒトに感染し、ヒトとヒトとの間で直接感染することはないが、汚染された血液や血液製剤、臓器移植、注射針の共用、母子感染といった感染の可能性もあるとのこと。また、マラリア原虫の種類によって潜伏期間は異なり、通常は蚊に刺されてマラリア原虫が体内に入ってから7〜30日後に発症し、症状としては断続的な発熱や悪寒、発汗、頭痛、倦怠感、筋肉痛等、合併症として貧血、肝不全、痙攣、錯乱、昏睡等があり、早期に治療を行われなければ死に至ることもあるとした上、現在は薬による有効な治療が可能であり、早期診断と治療が最も重要であるとした。

 なお、マカオにはハマダラカの発生源となる池、沼、渓流などが少ないことから、ハマダラカは一般的な存在ではなく、マカオにおける感染及び伝播リスクは低いとの見方を示し、一方でマラリアはアフリカ、東南アジア、南米など熱帯、亜熱帯の温暖な場所で多く出現しており、市民に対してマラリア流行地区へ渡航する際には防虫対策をしっかり講じ、(ワクチンがないため)必要に応じて予防薬を使用するよう呼びかけた。

 マカオでマラリア感染例が確認されたのは昨年(2024年)2月初頭以来、約11ヶ月ぶり。この際の患者は勤務先のアフリカからマカオへ戻った男性で、輸入性感染例だった。

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)=本紙撮影

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