マカオ、2024年11月の飲食業の売上が前年比上昇…小売業は下落=景気調査結果
- 2025/1/22 9:09
- 産業・経済
マカオ政府統計・センサス局は1月21日、昨年(2024年)11月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表。
同局の調査に回答した飲食業者の売上額は前年同月から1.9%上昇。ジャンル別では日韓レストランが12.6%上昇。一方、小売業者の売上額は9.2%下落。ジャンル別では時計・ジュエリー(-24%)、コスメティック・衛生用品(-12.8%)、革製品(-11.2%)が下落、自動車は上昇だった。
ハイシーズンにあたる「十・一黄金週(国慶節ゴールデンウィーク)」があった前月と比較した売上額については、飲食業で4.2%下落、小売業についても8.3%下落。飲食業ではチャイニーズスタイルの酒楼・飯店と茶餐廳・粥麺店がそれぞれ4.3%、3.7%下落。小売業では時計・ジュエリー、スーパーマーケットがそれぞれ15.6%、11.5%下落、自動車は17%上昇。
11月と比較した12月の見通しについては、12月はハイシーズンのクリスマスホリデーがあることから、飲食業の35%が上昇、17%が下落、小売業では42%が上昇、20%が下落とした。なお、飲食業のうち西洋スタイルのレストランの56%と日韓レストランの35%、小売業のうち、百貨商の63%、成人ファッション小売商の48%、時計・ジュエリー小売商の43%が上昇と回答。
売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が59.3、小売業が61.5で、いずれも基準値となる50を上回り、11月に比べて12月の売上が良化するとみていることを示す結果に。
なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。
マカオでは一昨年(2023年)1月初頭のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、直近まで勢いを維持している。昨年通期のインバウンド旅客数は前年から23.6%増の約3493万人、2019年と比較した回復率は88.6%。ただし、アフターコロナでは、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、リベンジ消費の減退、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことで「北上消費」と呼ばれる広東省珠海市への消費流出など、マカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとの指摘もある。