マカオ、2024年通期のインバウンド旅客数は23.8%増の3492万人…コロナ前2019年の88.6%まで回復

 マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は1月21日、昨年通期(2024年1〜12月)の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 昨年通期のインバウンド旅客数は前年から23.8%増の3492万8650人(延べ、以下同)、コロナ前2019年と比較した回復率は88.6%。日帰り旅客が35.0%増の1888万4882人、宿泊を伴う旅客が12.8%増の1604万3768人。日帰り旅客の割合が拡大したため、平均滞在時間は0.1日短い1.2日で、宿泊を伴う旅客に限ると横ばいの2.3日に。

 国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、28.6%増の2449万1424人、全体に占める割合は70.1%。このうち「自由行」と呼ばれる個人観光旅行スキーム(Individual Visit Scheme=IVS)の旅客が15.5%増の1228万1055人。第二の旅客ソースにあたる香港からの旅客は0.2%減の717万9722人、同第三の台湾からは64.1%増の83万4411人。中国本土、香港、台湾からのインバウンド旅客数の2019年と比較した回復率はそれぞれ87.7%、97.6%、78.5%。

 国際旅客ソース(中国本土、香港、台湾以外から)は66.0%増の242万3093人。このうち東南アジアでは、フィリピン(49万3399人)、インドネシア(18万3062人)、マレーシア(18万1941人)がそれぞれが57.1%、28.1%、82.2%増。一方、タイ(13万4658人)とシンガポール(11万9201人)についてはそれぞれ31.8%、29.8%減。南アジアは、インド(10万3817人)が76.5%増。北東アジアについては韓国(49万2184人)、日本(12万6424人)で、それぞれ1.4倍、68.2%増。

 入境経路別の割合は陸路が79.5%、海路が11.7%、空路が8.8%で、インバウンド旅客数はそれぞれ24.1%、10.7%、43.9%増。

大勢の旅客で賑わう人気撮影スポットのひとつマカオ半島・亞馬喇前地(資料)=2024年12月本紙撮影

 昨年12月単月のインバウンド旅客数は前年同月から3.3%増の304万0337人。2019年同月と比較した回復率は98.6%。このうち国際旅客は22.5%増の29万2202人。日帰り旅客が15.3%増の171万2682人だった一方、宿泊を伴う旅客は8.9%減の132万7655人に。平均滞在時間は0.1日短い1.1日で、内訳は日帰り旅客が横ばいの0.2日、宿泊を伴う旅客が0.1日延びて2.3日。

 マカオのインバウンド旅客数が3000万人を突破するのはコロナ前2019年以来のこと。マカオ政府による昨年通期のインバウンド旅客数目標は3300万人で、大きくクリアした。マカオ政府旅遊局のマリア・エレナ・デ・セナ・フェルナンデス局長は1月17日に囲み取材へ応じた際、今年のインバウンド旅客数をほぼコロナ前2019年並みとなる3800万〜3900万人と見込んでいることを明らかにしている。

 マカオでは一昨年(2023年)1月初旬からアフターコロナがスタートし、インバウンド旅客の急回復が進んだ。今後、どのタイミングで2019年水準を回復するか、また政府が旅客ソースのダイバーシティ化を推進する目標を掲げ、各種施策を打ち出す中、国際旅客ソースの動向が注目点となる。

2024年と2023年、2019年のマカオの入境旅客数(インバウンド旅客数)推移比較表(図版:DSEC)

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