マカオLRT、2025年1月の1日平均乗客数が2.5万人に…4ヶ月連続増、新線開業効果持続

 マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕軌股份有限公司(マカオLRT社)は2月1日、今年(2025年)1月の乗客数統計を公表。

 マカオLRTの今年1月の1日あたり平均乗客数(延べ、以下同)は約2万5300人で、前月から約2200人増(9.5%増)。4ヶ月連続増で、2019年12月のタイパ線開業初月(約3万3000人)に次ぐ歴代2番目の多さに。この際は運賃無料キャンペーンが実施されていた。直近の特記事項として、2つの新路線が相次いで開業(2024年11月1日に石排灣線、12月2日に横琴線)し、乗客数の底上げにつながり、その効果が持続しているものとみられる。

 マカオLRTは マカオ初となる本格的な軌道系大量輸送機関として、2019年12月にタイパ線の一部区間が開業。一昨年(2023年)12月8日にタイパ島北西部の海洋駅とマカオ半島南西部の媽閣駅の跨海区間が開業し、マカオ半島部への乗り入れ実現とともに、全線開業を果たした。

 現在、マカオLRTはタイパ線、石排灣線、横琴線の3路線体制となっている。タイパ線(13駅、約12.5キロ)はタイパフェリーターミナル駅と媽閣駅の間を結び、沿線には陸海空の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在。石排灣線(2駅、約1.6キロ)はタイパ線の協和醫院駅と近年開発が進んだ人口密集地のひとつ、コロアン島北部の石排灣駅を結ぶ。横琴線(2駅、約2.2キロ)はタイパ線の蓮花駅と「横琴広東マカオ深化協力区」の玄関口となる横琴口岸(イミグレーション)の直下に位置する横琴駅を結ぶ。

マカオLRT横琴線の蓮花駅に停車中の列車(資料)=2024年12月本紙撮影

 目下、マカオLRTではさらなる路線ネットワークの拡充が進められている。タイパ線のタイパフェリーターミナル駅からマカオ半島東部沖に造成中の埋立地を経由してマカオ半島北端にある關閘イミグレーション前を結ぶ全線地下、全長約9キロの新線「東線」が2023年8月に着工済みで、2028年完成予定。同線は關閘エリアから先の青茂イミグレーションまでの延伸計画も発表済み。さらに、昨年12月には運輸工務長官がマカオ半島心臓部への延伸検討を示唆した。

 なお、マカオLRTは全路線(タイパ線、石排灣線、横琴線と建設中の東線)で日本の三菱重工業の全自動無人運転車両(AGT:Automated Guideway Transit)システム一式を採用。営業運転中の3路線を走る車両はすべて日本製で、東京のゆりかもめなどと同タイプのものとなっている。

マカオLRTの路線ネットワーク(図版:澳門輕軌股份有限公司)

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