マカオ、2024年12月の売上額が飲食業・小売業とも前年比下落に…景気調査結果
- 2025/2/21 9:09
- 産業・経済
マカオ政府統計・センサス局は2月20日、昨年(2024年)12月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表。
同局の調査に回答した飲食業者の売上額は前月から5.7%上昇。ジャンル別ではウェスタンスタイルのレストラン、日韓レストラン、チャイニーズスタイルの酒楼・飯店がそれぞれ12.4%、8.8%、7.0%上昇。小売業者の売上額は7.9%上昇。ジャンル別では自動車、時計・ジュエリー、成人ファッション、コスメティック・衛生用品がそれぞれ18.6%、16.4%、15.8%、13.6%上昇。同局では、売上額の上昇要因としてクリスマスホリデーの存在を挙げた。
前年同月と比較した売上額については、飲食業が5.6%下落、小売業についても21.1%下落。飲食業ではチャイニーズスタイルの酒楼・飯店とウェスタンスタイルのレストランがそれぞれ10.3%、4.4%下落。一方、日韓レストランは10.9%上昇。小売業では時計・ジュエリー、革製品、百貨がそれぞれ31.5%、25.9%、20.8%下落、自動車は36.0%上昇。
12月と比較した(2025年)1月の見通しについては、1月は旧正月の春節シーズンにあたることから、飲食業の44%が上昇、17%が下落、小売業では36%が上昇、20%が下落とした。なお、飲食業のうちチャイニーズスタイルの酒楼・飯店の64%と西洋スタイルのレストランの32%、小売業のうち、百貨商の50%、革製品小売商の43%が上昇と回答。
売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が63.6、小売業が57.7で、いずれも基準値となる50を上回り、12月に比べて1月の売上が良化するとみていることを示す結果に。
なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。
マカオでは一昨年(2023年)1月初頭のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、直近まで勢いを維持している。昨年通期のインバウンド旅客数は前年から23.6%増の約3493万人、2019年と比較した回復率は88.6%。ただし、アフターコロナでは、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、リベンジ消費の減退、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことで「北上消費」と呼ばれる広東省珠海市への消費流出など、マカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとの指摘もある。
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