マカオ、2024年の犯罪件数が前年比6%増に…詐欺・サイバー犯罪増が主要因

 マカオ保安司司長(保安長官)弁公室は2月27日に会見を開き、昨年通期(2024年1〜12月)の犯罪統計及び法執行状況に関する総括レビューを発表した。

 昨年のマカオにおける総犯罪件数(犯罪捜査着手数)は1万4298件で、前年から6%増だった。コロナ前2019年同時期との比較では0.8%増。

 マカオ保安長官の黄少澤氏は、前年及び2019年比で犯罪件数が増加した主要因として、詐欺犯罪・サイバー犯罪の増を挙げた。一方、重大暴力犯罪、薬物犯罪、カジノ関連犯罪、窃盗、強盗等の民生に影響を及ぼすカテゴリーについてはコロナ前と比較して顕著な減で、全体的な犯罪情勢は管理可能な状況にあり、マカオの社会治安は依然として安定した良好な状態を保持しているとの見方を示した。

 また、カジノ関連犯罪については前年比で増加したものの、警察当局による的を絞った抑止策及び取り締まりによって2019年比では大幅減となっており、カジノ産業から生じる治安リスクは予防・管理可能なものとした上、今後もカジノ関連犯罪の趨勢を注視し、取り締まりの最適化、適宜適切な対策を講じることで、マカオ社会の安定と繁栄に取り組んでいくとした。

 近年マカオでは「換銭党」と呼ばれる違法両替従事者らがカジノ施設内外で暗躍し、暴力、詐欺、窃盗、密航などさまざまな事件を引き起こしてきたことから、犯罪の温床として社会的問題化。対策の一環として、換銭党による違法両替行為を刑事罰の対象とするマカオの新法「打撃非法賭博犯罪法(違法賭博犯罪対策法)」が昨年10月29日に施行された。年末までの賭博用途違法両替罪の立案件数は89件だったとのこと。

2024年通期のマカオ犯罪統計及び法執行状況に関する総括レビュー会見の様子。中央が黄少澤マカオ保安長官=2025年2月27日(写真:GCS)

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