政府、民主派計画の模擬投票を牽制

マカオ政府報道官事務所は7月8日、マカオの複数の民主派市民団体が実施を予定している行政長官選挙をターゲットとした「民間模擬投票」について、いかなる「投票」も法律に則っておらず、違法かつ無効であるとの声明を発表した。

マカオ政府では、今回の市民団体による模擬投票の実施に対して「マカオの法治に対する挑戦と受け止め、断固として反対する」と強い表現で牽制している。

マカオの行政長官は2段階の選挙により選出される間接選挙。まず、業界団体や立法会、マカオ地区全国政協委員会などから投票資格を持つ代表者によって選挙委員会委員を選出。その後、選挙委員会委員によって行政長官が選出される。行政長官に立候補するには委員による一定数の支持が必要。今年(2014年)は五年に一度の行政長官選挙イヤーにあたり、6月30に選挙委員会委員選挙が行われ、行政長官選挙は8月31日に実施を予定しており。選挙委員会委員選挙の投票資格を持つ投票人の数は5,448名、選挙委員会委員は400名。

行政長官選挙については、マカオと同じく特別行政区の地位にある香港でも大きな関心事となっており、普通選挙導入に向けた民主派の動きが活発化している。今年6月、香港の民主派市民団体が2017年の行政長官選挙に向け、選挙委員会の指名なしで一般市民も立候補できるようにするなどした複数の改革案を発表し、市民の賛否を問う模擬投票を実施。これに香港の人口の1割を超える約78万人が参加した。なお、この選挙の直前に、中央政府が香港の統治に関して自治の後退を懸念させる内容の白書の発表を初めて行った。また、模擬投票の電子投票システム、民主派寄りのウェブサイトが相次いでハッカー攻撃を受けるなどの事態も確認されている。こういったことが積み重なり、香港では7月1日の返還記念日に約50万人以上が参加するデモにつながったものとみられる。

今回、マカオで模擬投票を予定している団体はウェブサイトを通じて情報を発信しており、投票日を実際の行政長官選挙の1週間前にあたる8月24日に設定している。

マカオ特別行政区政府本部(写真はイメージ)—本誌撮影

マカオ特別行政区政府本部(写真はイメージ)—本誌撮影

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