マカオ理工学院が主催する「ゲーミング、レジャー、エンタテインメント国際会議」が7月30日に開幕した。初日の検討会でマカオ理工学院ゲーミング・ティーチング&リサーチ研究所の曾忠祿教授による研究発表が行われ、香港及びマカオ居民の賭博(ゲーミング)参加率がここ十年の間で下降していることなどを明らかにした。
曾教授は香港及びマカオ居民の賭博参加率が下降している理由として、長期にわたって賭博が身近にある環境によって、新鮮味が薄れていることを挙げている。
2001年から11年までの10年間に香港の総人口に占めるマカオへ賭博目的で渡航する人の割合は01年の12.1%から11年には11.9%にまで減少したという。また、ベット金額も増えておらず、中位数は100香港ドルとのこと。
マカオの賭博参加率も2003年の20.2%から13年には11.9%まで下落した。カジノ資本の対外開放初期にはが物珍しさもあったが、すでに十年の時が流れ、興奮状態から疲労へと変わりつつあるとみている。
一方、身近に賭博が存在しない中国本土については、マカオに近い広東省よりも、他の省からマカオを訪れる旅客の賭博参加率が高いという。香港からマカオを訪れる旅客100人のうち、賭博目的は約28人だが、広東省からの旅客では40人超、その他の省からの旅客では60人超となる。中国本土からの旅客もマカオの賭博環境に慣れつつあるが、人口が多いことから、一巡するのにまだ時間を要するものと見られる。
マカオがカジノ依存から脱却し、多元化を進めていくことが「世界的レジャーセンター」を目指す政府目標を達成するために必要としている。
マカオ理工学院は公立校等教育機関で、傘下にゲーミングに特化した研究所を持ち、ゲーミングの社会、経済に対する影響などの研究を行うほか、マカオ唯一のカジノディーラー養成所を運営している。