書画の路上販売で6人逮捕、恐喝集団「名畫黨」か―マカオ

近日香港各所で「名畫黨」(または「國畫黨」)と呼ばれる犯罪集団が出現し、マカオ「進出」も懸念されている。名畫黨の手口は1人が有名書画の路上販売を装い、通行人に対して「国宝級の絵画を踏んだから賠償しろ」などと言いがかりをつけ、その後、近くにいる他のメンバーが取り囲んで恐喝し、高額の金銭を要求するもの。

8月2日付地元有力紙「澳門日報」が伝えた。マカオ治安警察局は8月1日、書画の路上販売を行っていた中国・江西省出身、年齢30〜50歳代の6名について、非合法労働容疑で逮捕したことを発表。いずれも香港マカオ通行証やパスポートでマカオへ入境しており、マカオの就労ビザ等を持っていなかった。

マカオでは7月上旬に聖ドミニコ教会に近い米糙巷とホテルリスボア前の葡京路で違法に街頭で書画を販売していた2名を逮捕しており、以後、市内の巡回警備を強化していた。今回の6名については8月1日の午後4時から5時の1時間の間に市民からの通報が相次ぎ、馬六甲街近くの歩道橋、友誼大馬路、北京街、花王堂前地、沙梨頭海邊街,營地大街と草堆街の交差点の6箇所へ警察官を急行させ、上述の6名を逮捕するとともに、書画6点を押収した。その後、6名が拠点として借りていたホテル客室を捜索したところ、「清明上河図」のレプリカなど33点の書画が見つかったという。

容疑者への取り調べによると、書画は中国本土で1点200〜1,000人民元で仕入れ、マカオで300〜5,000パタカで販売する予定だったと供述しているという。いわゆる「名畫黨」であるかどうかについて、警察では恐喝の被害に遭った市民をおらず、今回逮捕した6人については違法な路上販売が目的だったものとみられるが、その関連について注視していきたいとしている。

市民へ違法行為の通報を呼びかけるポスター(写真:治安警察局)

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