マカオ警察当局、模擬投票実施の民主派メンバー拘束

マカオ政府治安警察局は8月24日、同日マカオの行政長官選挙に関する「模擬投票(民間公投)」を実施した民主派メンバーのうち、投票所スタッフの男女4名を拘束した。その後、司法警察局は事情を聞くため発起人の周庭希氏を任意同行。いずれも再三の中止命令に関わらず個人情報を不正収集したというのが理由。拘束された関係者5名は同日夜に釈放された。

マカオでは8月31日に第4回マカオ行政長官選挙の投票が予定されている。模擬投票の主催者側は行政長官選挙が間接選挙であり、一部の人間しか参加することができず、民意を反映できていないとし、模擬投票の実施に踏み切った。一方、政府は模擬投票そのものが法律的根拠のない行為であるとし、様々な形で牽制を続けてきた。行政長官選挙委員会は、8月16日午前0時から投票日翌日の9月1日24時までの間、当該選挙に関するいかなる世論調査結果の発表も禁止する規定を導入したほか、政府個人情報保護オフィスも模擬投票で身分証情報の提供を求めることは違法だとして牽制してきた。

民主派団体が中心となって実施している模擬投票はインターネット投票が24日午前0時から、市内に複数箇所設置された模擬投票所でに投票は11時から始まった。

模擬等投票所での投票開始5分前に個人情報保護オフィスと治安警察局が発起人に対して、個人情報の収集を中止し、すでに収集した情報を消去しなければ、加重違反罪に問われる可能性があると通達。これに対し主催者側は、模擬投票参加者は参加社が主旨を理解した上で自発的に身分証情報を提供していると反論。その後、実際に投票がスタートした正午頃、治安警察局は個人情報保護法違反の疑いで模擬投票所スタッフの男女4名の身柄を拘束、司法警察局は午後3時頃に事情を聞くため発起人の周庭希氏を任意同行した。

拘束されたスタッフら5人は同日夜に一旦釈放された。周庭希氏は25日朝に司法警察局に出頭する必要があるという。また、模擬投票所のスタッフ4名は個人情報保護法の加重違反罪で送検される見通し。

なお、模擬投票初日の24日夜12時までの参加者は4千名以上となっている。

治安警察局と個人情報保護オフィスが相次ぎプレスリリースで事件の経緯などを説明した

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