通貨供給量2ヶ月連続下落、預貸率上昇傾向続く—マカオ14年9月
- 2014/11/6 8:09
- 産業・経済
マカオ政府金融管理局は11月5日、今年(2014年)9月の広義通貨供給量(廣義貨幣供應量)について、前月に続いて下落が続いたとする最新統計を発表。また、融資総額が伸び、預金総額が減少となったことから、総体銀行預貸率は上昇を継続している。
【マネーサプライ】
流通貨幣が0.4%上昇、通知預金が4.5%下落し、M1は前月比3.7%減。同時に、準通貨負債が0.1%の上昇となり、通貨供給量M2は前月比0.4%減の4874億パタカ(日本円換算:約7兆円)となった。昨年同月と比較してM1が8.8%、M2が14.2%のそれぞれ上昇。通貨ストラクチャーについては、M2に占めるマカオパタカの比重は25.2%で前月から0.4ポイント、前年同月から0.9ポイントのそれぞれ上昇、香港ドルの比重は49.5%で、前月から0.9ポイント、前年同月から3.9ポイントのそれぞれ下落。
【預金】
マカオ居民による預金は前月から0.4%減の4773億パタカ(約6兆8600億円)。通貨別ではマカオパタカが1.3%、その他外貨が1.6%のそれぞれ増、香港ドルは2.1%減。非マカオ居民による預金は前月から1.1%増の2348億パタカ(約3兆3700億円)。公共部門の銀行システムへの預金は2.8%減の880億パタカ(約1兆2600億円)に。これらを総合して計算した銀行システムの預金総額は前月比0.2%減の8001億パタカ(約11兆4900億円)となった。このうち、マカオパタカと香港ドルの占める割合は18.3%、41.2%。
【融資】
地元民間部門への融資は前月比1.9%増の3289億パタカ(約4兆7200億円)。マカオパタカと香港ドルの比率はそれぞれ27.7%と63.8%で、金額ベースでは911億(約1兆3000億円)と2097億パタカ(約3兆100億円)。第3季末の融資先では「IT」、「非貨幣金融機関」、「レストラン、ホテル及び関連業界」への貸付けがそれぞれ前季末から132.3%、87.4%、39.5%増えた。一方、「運輸、倉庫、通信」、「電力、ガス、水、鉱業」向けはそれぞれ12.2%、6.2%、3.9%減。対外部門への融資は前月比1.0%増の3463億パタカ(約4兆9700億円)。マカオパタカと香港ドルの比率はそれぞれ1.3%と23.3%で、金額ベースでは45億パタカ(約600億円)と808億香港ドル(約1兆1600億円)。
【預貸率】
銀行の地元市民に対する預貸率は9月末時点で前月末と比較して1.5ポイント上昇の58.2%。非マカオ居民含む総体預貸率は1.4ポイント上昇の84.4%。